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サービスプロバイダー向けx86サーバーシステム、耐荷重の低いDCも考慮

1ラック2016コアの高密度!「IBM NeXtScale System」登場

2013年09月12日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本IBMは9月11日、データセンターなど大規模コンピューティング環境向けの高密度サーバー「IBM NeXtScale System」を発表した。6Uサイズのエンクロージャー、ハーフサイズ(2分の1U)のモジュールの組み合わせで構成される。第一弾として、新しい「インテル Xeon E5-2600 v2」プロセッサー搭載コンピュート・ノード(サーバー)や拡張コンポーネントが発表されている。

IBM NeXtScale System(n1200エンクロージャー)

 6Uサイズの「NeXtScale n1200 エンクロージャー」は、最大12台のコンポーネントを格納できる。背面に900ワット電源と冷却ファンのモジュール、および電源とファンのコントローラーを備えるが、コンピュート・ノードの管理機能、ノード間のバックプレーン、ネットワークスイッチといった機能は備えていない。

 コンピュート・ノード「NeXtScale nx360 M4」は、Xeon E5-2600 v2プロセッサー(関連記事)を搭載した2ソケットのx86サーバー。1台あたり最大24コア、42Uの標準ラックに換算すると2016コアを高密度実装することができる。内蔵ドライブベイは3.5インチ、2.5インチ、1.8インチのHDD/SSDに対応。また標準PCIe 3.0カードスロット、メザニンカードコネクタも備える。System xと同じ管理モジュール「Integrated Management Module(IMM)」も搭載している。

NeXtScale n1200 エンクロージャーの概要。電源とファンのみを備えるシンプルな設計

NeXtScale nx360 M4コンピュート・ノードの概要。ケーブリングや管理者アクセスをフロント側に集中させている

 nx360 M4ノードに対応する「Native Expansion(NeX)」オプションとして、ストレージ拡張コンポーネント「Storage NeX」、PCIe拡張コンポーネント「Accelerator Nex」も発表された。これらのコンポーネントはnx360 M4ノードの上部に重ねて(組み合わせて)使用するよう設計されている。

オプションの拡張コンポーネント、NeXは2種類が発表された。Accelerator NeXはGPGPUや「Xeon Phi」コプロセッサーなどの拡張を可能にする

nx360 M4ノードの上にAccelerator NeXを重ねたところ。ストレージやPCIeカードはミッドプレーンを介さず、マザーボードに直接接続される

 NeXtScale Systemの最小構成価格は126万円(税別)から。10月28日より出荷開始を予定している。

一般企業はPureSystems、サービスプロバイダーはNeXtScaleで

 同日の製品発表会で日本IBM システムx事業部 事業部長 理事の小林泰子氏は、NeXtScale Systemはサービスプロバイダーなどのデータセンターで求められる、新たなIT基盤要件を満たすための製品だと説明した。

 小林氏によると、“ソーシャル、モバイル、ビッグデータ”をキーワードとするIT新時代の到来により、エンタープライズ(一般企業のIT環境)、データセンター(サービスプロバイダーなどの大規模IT環境)の双方で基盤要件が変化している。IBMでは、前者の新しいニーズを「PureSystems」で、後者の新しいニーズをNeXtScale Systemでカバーしていく。

 NeXtScale Systemの対象となるデータセンターなどの基盤について、小林氏は「『自由自在』『シンプル』『スケール』という3つの要件が求められる」と述べた。具体的には、オープンスタンダードに準拠し幅広い環境/利用目的に適合する柔軟性、管理コストを低減する容易な管理性、スモールスタートから大規模環境への自由な拡張性を指す。「OpenStack」「IPMI 2.0」への対応/準拠や、キッティング/ケーブリング済みでの出荷、単一ノードからコンテナスケールまでの拡張性といった特徴が紹介された。

 なお、大量のサーバーを高密度配置する際に、古いデータセンターの耐荷重や供給電力量の低さが妨げとなるケースも多い。今回のNeXtScale System(nx360 M4)ではそれを考慮し、軽量化や消費電力抑制が図られている。

NeXtScale Systemでは、高密度配置の妨げとなる耐荷重や供給電力量の制限に配慮されている

今回、そのほかのSystem xサーバーも新しいXeon E5を搭載、高密度化を進めている

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