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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第128回

ホンモノを作った「ToneGarage」の開発チームインタビュー後編

真空管ならディスクリート回路、ひたすら真面目に作ったんです

2013年09月07日 12時00分更新

文● 四本淑三

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真空管を入れてギリギリのサイズを追求

―― 音のキャラクター決めというのは、どういう風にやっているんですか?

遠山 基本コンセプトを決めて試作を作って、VOX UKに音を聴いてもらって、意見を出しあいながらチューニングしていくスタイルです。音を決める主体はVOX UK側ということになっています。

―― 結構時間はかかるんじゃないですか? ソフトウェアだったらGitHubとか、いろいろ共有する方法はありますけど、これはモノを送らなければならないし。

坂根 FedExとかでね。

遠山 送る場合もあるし、定期的に向こうのエンジニアも日本に来ますので。

坂根 音質的には早い段階で一致しましたよね。

シリーズの音は割とスムーズに決まったという

西堀 あとはサイズですね。より小さくということで。

坂根 もともとプロトタイプはスイッチが2つ並んでいるような、横に長い長方形のものを想定していたんですが、それだと当たり前すぎるだろうと。こういうシングルストンプと呼ばれているタイプにできないかなと。

小田 でも、電池の本数と真空管の配置を考えると、これでギリギリなんです。この下に電池を敷き詰めて、真空管を入れて、フットスイッチとつまみを置く、ということになると、もうこの形にしかならないんですよ。

―― この小さいハコに高電圧動作の真空管が入ってるって、よく考えたらヤバイですよね。

遠山 ちょっとしたノイズを拾って、すぐ発振してしまうんですよね。

 真空管が200Vで動いているので、ものすごく増幅しているわけです。するとこれだけ近いと、その信号が簡単に入力へ返ってきちゃう。だから簡単に発振しちゃうんです。

坂根 それでケースと一体になったシールド板が、真空管とジャックの間に入っています。真空管とジャックを遮蔽したいということなんです。どうしても真空管からシールドにノイズが飛んでしまうので。

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