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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第147回

お手軽ネットワークカメラで自宅や店舗を遠隔監視するワザ

2013年09月04日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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SDカードやNAS(LAN接続のHDD)に映像を保存する

 ネットワークカメラの映像を保存するなら、HDL-XVシリーズやHDL-Aシリーズなど、LAN接続のHDDを利用する。カメラの設定画面で保存場所などを設定しよう。

 PCで設定を行なうなら、「MagicalFinder」を利用する。ソフトを起動すると、カメラが検出されるので、「ブラウザ」をクリックすると設定画面が開く。ネットワークカメラのIPアドレスがわかるなら、ウェブブラウザーのアドレス欄に直接入力してもいい。接続時のアカウント名は「admin」、パスワードは製品のMACアドレスを入力する。MACアドレスは製品の底面に記載されている。初回接続時には、ActiveXのインストールが必要なので、画面の指示に従って実行する。インストールが終了するとカメラのライブ画面が表示されるので、右上の「設定」をクリック。「保存設定」を開いて設定しよう。

 ちなみに、画面は小さくなるが、「LCAMView」アプリでカメラの設定を開き、「ブラウザからカメラに接続」をタップしても設定変更画面にアクセスできる。

カメラの設定画面にアクセス。初回起動時にはアドオンをインストールする

ライブ画面が表示されたら、「設定」をクリック

設定画面が開くので「保存設定」をクリック

「LAN DISK保存設定」を開き、共有フォルダ名を入力する。アクセスユーザーを制限しているなら、ユーザー名とパスワードも入力する

「保存先設定」を開き、保存先に「LAN DISK」を指定する

 「ビデオ」の「映像設定」で動画の解像度などを指定できる。QVGAで10fps(フレーム毎秒)なら、1時間で約400MB、VGAで30fpsなら約2.3GBになる。1TBのHDDなら、まる10日間以上の録画が可能だ。どうせなら、と解像度やフレームレートを上げすぎると、回線速度が遅かったり、端末が古いとまともに表示できなくなる。必要最低限の設定にしておくといいだろう。

 動画の保存形式は、初期設定ではMotionJPEGフォーマットのAVIファイルだったが、うまく再生できなかった。H.264にしておくと安心だ。また、HD解像度にすると動体検知機能が利用できなくなる。無人時の監視用途ならVGA解像度にしておこう。

 付属のアタッチメントを利用することで、カメラを天井に装着することもできる。その場合は「カメラ設置角度」を180度にすると、映像が正常に表示されるようになる。

保存先が設定されていると、NASのアイコンが利用できるようになる。タップすれば録画がスタートする

映像の設定画面。ファイルフォーマットや解像度、カメラの設置角度などを設定する

 カメラの撮影範囲に動きがあったときに、録画をスタートしたうえ、メールで知らせてくれるのが「動作検知」機能。無人の店舗を監視したり、子供が帰宅したことを知るために利用できる。

「動作検知」メニューの「動作検知設定」で動作検知を有効にする

検知するエリアを指定できる

 カメラの位置を最大4つまで記憶させ、一定時間ごとに切り替えて表示させることもできる。「パトロール設定」画面で設定しよう。

「パトロール設定」でカメラの自動首振りを設定できる

「プリセット設定」で1~4番のカメラ位置を指定する

 カメラ名をわかりやすく設定するなら「システム設定」で変更できる。英数字で入力しよう。

カメラ名に英数字にカメラ名を入力する

 ちなみに、「TS-WPTCAM」はSDカードスロットを搭載。SD/SDHCカードに映像を記録することもできる。時々しか録画しないなら、NASを導入するよりも手軽だ。

環境によってはルーターの設定が必要

 同じLANに接続している状態では、これ以上になく簡単にセットアップできた。しかし、無線LANを切り、外出先からアクセスしようと思ったら、案の定一筋縄でいかなかった。

 これは、ルーターが原因。ルーターは、1本のインターネット回線を複数のPCやスマホで利用できるようにしてくれるデバイスで、外部からの不正アクセスを遮断する機能も備えている。このセキュリティー機能により、外出先からカメラの映像にアクセスできないのだ。

 ルーターを越えて映像を確認するには、「ポートを開く」という作業が必要になる。これは、ルーターの機種によって異なるが、専門的な知識が必要になるものでもない。マニュアルを見ながら作業しよう。まず、ネットワークカメラのIPアドレスを固定。次に、ルーターの設定画面でシートに書いてあるポート番号を転送するように設定すればいい。ネットワークカメラのIPアドレスを変更したら、新しいアドレスで設定画面を開き直す必要があるので注意すること。ポートが開けば、同じLAN内にあるように、カメラの映像をチェックすることができる。

「基本設定」の「ネットワーク」でカメラのIPアドレスを固定する

ルーター(画面はフレッツ光で使っている「PR-400NE」)の設定画面から「静的IPマスカレード設定」を開く。変換対象プロトコルはtcp、変換対象ポートはシートに記載されている数字、アドレスは固定したIPアドレスを設定する。これで、ネットワークカメラに必要な通信が届くようになる

 筆者は、海外製のネットワークカメラもたくさんセットアップしたことがあるが、「Qwatch」は群を抜いて設定が簡単だった。画質や挙動に関しても文句なし。今回はトラブルは起きなかったが、国内メーカーなのでサポートも期待できる。遠隔地の様子を見たいというニーズを抱えているなら、チェックしてみよう。ルーター越えに少々手間が取られるかもしれないが、満足する買い物になるはずだ。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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