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既存の公共IPネットワーク上に、災害告知システム築く試み

文●ITソーシャルニュース

2013年08月30日 10時15分更新

記事提供:ITソーシャルニュース

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9月1日は「防災の日」。過去の震災の経験をふまえ、これから起こりうる大型災害への備えについて、意識を高める取り組みが各地で行われる。東日本大震災では、住民に正しい避難情報を伝えるための「防災行政無線」が、うまく機能しなかったケースが約半数(※)にのぼった反省から、現在、国を挙げて「災害情報伝達の多様化」に取り組んでいる。その中で注目を集めているのが、ITを活用した災害情報伝達システムの構築だ。実は、多くの自治体において、市役所、町村役場などの各庁舎、学校、病院、公民館などの公共施設はすでにLANで結ばれている。この既存インフラ上に築く、緊急時の「IP告知放送システム」を開発したのが神戸の音響映像機器メーカー・TOA株式会社。2007年に発売されたこのシステムは、これまでに100近い自治体に導入され、現在も問い合わせが増えているという。

j-alert接続システム図

仕組みはシンプルで、自治体庁舎に送信機器を、学校や病院など公共施設に受信端末を設置し、それらを自治体LANでつなぐ。これにより、自治体庁舎がキャッチした、J-ALERT(全国瞬時警報システム)や緊急地震速報などの情報を、スピーディかつ明瞭に各施設に音声で送ることができる。職員によるマイク放送はもちろん、自動音声による避難誘導放送にも対応可能で、住民の逃げ遅れだけでなく、庁舎で働く職員の逃げ遅れも未然に防ぐことが狙いだ。放送設備は、各公共施設にすでに設置されているものをそのまま利用するため、大がかりな機材導入や工事等が不要で、平常時のメンテナンス負担が少ない点も、自治体にとって大きなメリットとなった。
今後は、総務省による「地方財政対策」により、防災・減災設備導入に対する国の大型補助金制度も成立間近と見られている。官と民が一体になった、IT活用型防災システムの導入が各地で進みそうだ。

※総務庁、気象庁、消防庁「平成23年度東日本大震災における避難行動等に関する面接調査(住民)」より

(取材・記事:松本 幸)

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TOA株式会社 http://www.toa.co.jp/ 導入事例  http://www.toa.co.jp/solution/installations/jichitai/

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