変更内容がただちに他のマシンへ反映される!
iWork for iCloud(β)最大の特徴は、ウェブブラウザでネイティブアプリ並みの編集機能を利用できること……それもひとつだが、真の意味での「文書コラボレーション」が可能になっていることに注目したい。
たとえば、iWork for iCloud(β)のKeynoteで作業中の文書に、何か文字列を挿入したとしよう。するとまもなく、iOSアプリ版Keynoteで開いていた同一文書にも、iWork for iCloud(β)で挿入した文字列が現れる。そのとき、上書き保存や同期といった処理は必要なく、意識しないまま(ほぼ)リアルタイムに変更内容が他のデバイスで開かれている同一文書に反映されることがポイントだ。
つまり、iWork for iCloud(β)では、文書の変更は手もと(ローカル)ではなくクラウドに反映される。データベースに対するトランザクション処理のように、文書に加えた変更は逐一クラウドに送信されるのだ。文書を変更すると、ブラウザのタイトルバーに一瞬「Saving...」と表示されるが、これはファイルへの保存ではなくクラウドへのデータプッシュという意味だろう。
この仕組みは、iCloudを解くキーワードのひとつ「Document in the Cloud」そのものだ。当初はiOSアプリ版iWorkでのみサポートされ、OS X版iWorkでもMountain Lionのときからサポートされるようになったが、iWork for iCloud(β)にも同じ技術が採用されたと考えられる。
第77回「iPad/iPhone/OS X+iCloudで「文書」が変わる」で解説しているが、Document in the Cloudでは「キー・バリュー型」と呼ばれるデータハンドリング機構が採用されている。これによって文書の差分情報を逐一追うことが可能となるほか、ウェブアプリで編集した内容を保存するときも、まとまったデータをアップロードする必要がなくなる。iWork for iCloud(β)には文書を保存/上書きするためのボタンが用意されていないのは、このような仕組みがあるからなのだ。
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