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アスキー・ジャンク部リターンズ 第14回

外食チェーン店の1号店を巡る聖地巡礼って一体なんなの?

2013年08月27日 16時00分更新

文● アスキー・ジャンク部リターンズ

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普段何気なく食べている外食チェーン店
しかし聖地(本店)には想像を絶するドラマがある!

 世の中に多数ある外食チェーン店。アスキー・ジャンク部のメンバーはしょっちゅう利用しているし、ASCII.jp読者も利用したことがあるだろう。チェーン店の良さはどこで食べてもほぼ同じ味が出てくるので、ひとまず安心ということ。マニュアルにのっとって、すべてのお店が同じ味になるようになっているからだ。

ココイチことCoCo壱番屋の一号店(愛知県清須市)こと、西枇杷島店

びっくりドンキーの原点でもある、ハンバーグレストラン「ベル」の大通店(岩手県)

 しかし、チェーン店の1号店だけは味が違う!と豪語するひとりの男がいた。以前、ASCII.jpでもインタビューを掲載し(関連記事)、PCソフトのレビュー(関連記事)などもしてくれたBUBBLE-B氏、その人である。なぜ本店巡礼をすることになったのかを聞いた。

BUBBLE-B。コンポーザー、リミキサー、DJとして活動。BUBBLE-B feat. Enjo-G名義で「Enjo-Gのシャッシャッシャッ」「走りのセダン」「セットでドリンクバー」といった独特な世界観の曲をリリース。本店評論家、中古車評論家といった肩書も持つ

BUBBLE-B「初めて本店がそのほかのチェーン店と違うと感じたのは、10代の頃。天下一品の本店でラーメンを食べたときに、これはいつも食べている天一と違う! なんかマイルドだ! と衝撃が走ったんです。そこから、セントラルキッチン型のチェーン店本店に興味を持つようになりました」

 BUBBLE-B氏は本店巡礼ブログ「本店の旅」(こちら)を2004年頃に立ち上げ、不定期に更新し続けた。取材はもちろん自腹である本店にこだわり続けて10年以上が経過したある日、書籍化の話が来たという。そして、長年のデータベースをまとめた書籍「全国飲食チェーン本店巡礼~ルーツをめぐる旅~」(大和書房刊、1365円)をついに発売するに至った。名実ともに、世界で唯一の本店評論家の誕生だ。

  • 単行本(ソフトカバー): 160ページ
  • 出版社: 大和書房
  • 発売日:発売中
  • 価格:1365円

BUBBLE-B「本店で食べるというのは、そのチェーン店のルーツを探る旅なんです。なぜその土地で創業し、どのような紆余曲折を経てこれだけのチェーン店展開をするの至ったのか。創業者の努力や熱い想い、フィロソフィーを思うとそれが最高のスパイスになりますね。同じレシピ、同じ材料であっても、味が違うように感じるのです」

表紙はBUBBLE-B氏自身が愛してやまないという、びっくりドンキーの前身「ベル」の本店を採用してもらったという

 この「本店巡礼」を読んでいくと、びっくりドンキーのルーツはベルという盛岡のお店だったとか、カプリチョーザの本店は渋谷のいつも通る場所だったり、築地銀だこは群馬が発祥だったり、サイゼリヤの本店は八百屋の2階で今は資料館になっていたり、意外と知らない豆知識と食への愛が大量に詰まっている。そう、どんなに巨大になったチェーン店にも必ず「はじめの一歩」があるのだ!

BUBBLE-B「例えばポルシェやBMWが好きならドイツに、フェラーリやフィアットが好きならイタリアに、そしてトヨタが好きなら愛知県に行きたくなるように、好きなレストランのルーツって気になるし、行ってみたい!となると思うんですよ。この本を読んで興味を持ったなら、ぜひ本店(1号店)に行ってみてください。そのときは創業時のメニューを頼むのを忘れずに。創業者のソウルを味わってください」

 アスキー・ジャンク部としても本店巡礼しに行きたくなったぞ! ということで、吉野屋1号店の店長まで登場した「全国飲食チェーン本店巡礼~ルーツをめぐる旅~ リリースイベント」の様子を紹介しよう! なお、BUBBLE-B氏によると、吉野屋1号店の牛丼は「つゆだくだくのまろやか感は、肉と肉の間の摩擦係数が限りなく0に近づくことで、振動しないロータリーエンジンのようである」と、クルマファン以外にはわからないコメントをしてくれた。

天下一品の本店は京都の北白川にある。店内は創業者の新聞の切り抜きなどが貼ってあり、まさに本店という内装だ。本店巡礼の旅はここから始まった

ひとりから家族連れまで、庶民の味方(金額的に)の餃子の王将。こちらも京都で、四条大宮にある。通常は○○店など土地の名前になるのだが、ここだけ「1号店」と誇らしげに書いてある

吉野屋の1号店、築地店の店長の濃すぎる牛丼トークに観客も爆笑。営業時間は5~13時、常連客には座った瞬間に牛丼を出す、お客さんの顔と好みをどれだけ覚えられるかなどなど、創業100年以上を誇る吉野家ならではの話を聞くことができた

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