このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

最新パーツ性能チェック 第147回

世界に先駆けて登場した「A10-6700T」の性能を早速チェック

2013年08月24日 12時00分更新

文● 藤田 忠

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ベンチマーク性能と消費電力をチェック

 さっそく、定番ベンチマークソフトのFuturemark「PCMark8」、同「3DMark」、MAXON「CINEBENCH R11.5」のスコアーと、その実行中の消費電力をみていこう。

 比較用CPUは編集部にあった、定格クロック周波数4.1GHz、ターボ時4.4GHzでTDP 100WとなるRichland最上位の「A10-6800K」を使用している。検証環境のマザーボードには、Socket FM2対応の最上位チップセット「AMD 85X」を搭載するMSI「FM2-A85XA-G65」を使用。メモリーは最も普及している速度のDDR3-1600を搭載し、内蔵GPUのドライバーは最新ベータ版の「AMD Catalyst 13.8 Beta2 for Windows」を導入した。

テスト環境
CPU AMD「A10-6800K」(4.1GHz/Radeon HD 8670D)
AMD「A10-6700T」(2.5GHz/Radeon HD 8650D)
マザーボード MSI「FM2-A85XA-G65」(AMD A85X)
メモリー PC12800 DDR3 8GB×2
SSD Samsung SSD 830 128GB
電源ユニット Seasonic「SS-750KM」(750W/80PLUS GOLD)
OS Windows8 Pro(64ビット)
グラフィックドライバー AMD Catalyst 13.8 Beta2 for Windows

 なお、後日アップデートされると思われるが、テスト時点ではこのベータドライバー以外だとGPUの「Radeon HD 8650D」が正常に動作しなかった。さっそく「A10-6700T」をゲットする人は、GPUドライバーには注意してほしい。

「AMD A85X」搭載マザーボードのMSI「FM2-A85XA-G65」。なお、省電力CPUと組み合わせたいmini-ITXの「FM2-A75IA-E53」なども「A10-6700T」に対応済みだ

クロック差の影響大! 「A10-6700T」は
最大でも76Wの消費電力に

 当然、クロック周波数が大きく違うため、ベンチマークのスコアーには差が出ており、PCMark8のHOME Scoreでは、「A10-6700T」と「A10-6800K」で294スコアー。CINEBENCH R11.5では1.21スコアーの差がついている。このスコアー差はPCMark8が行なう各種テストの結果にもみられ、クロック周波数が影響しやすい写真加工や動画エンコードなどは、その差が大きくなっている。

PCMark8ベンチ結果
モデルナンバー A10-6700T A10-6800K
HOME Score 3155 3449
Web Browshing Jungle Pin 0.370 秒 0.354 秒
Web Browshing Amazonia 0.145 秒 0.139 秒
Writing 5.30 秒 4.49 秒
Photo Editing 4.59 秒 3.67 秒
Video Chat/Video playback 1 29.9 fps 30.0 fps
Video Chat/Video encoding 36.0 ミリ秒 34.0 ミリ秒
Casual gaming 16.4 fps 17.0 fps
Benchmark duration 29分21秒 28分19秒

CINEBENCH R11.5 (単位:score) better→

 続いて3DMarkは、FireStrikeで21スコアー、Graphocs Scoreで28スコアー差だ。こちらもGPUコアクロックの124MHz分ダウンしているが、SP数は同じとあって気にするほどの差はでなかった。

3DMark FireStrike (単位:score) better→

 続いては、「A10-6700T」の最大の魅力となる消費電力だが、結果はさすがTDP 45Wといえる値で、アイドル時にクロック周波数が1.4GHzになる「A10-6700T」は、27.2Wまで下がっている。各種ベンチーマーク実行中もA10-6800から大きく低下。最大でも76.1Wと省電力だ。

消費電力(単位:W) ←better

 また、CPU温度も消費電力同様に低くなっている。検証環境で使っているCPUクーラーは、CPU付属のAMD純正クーラーと違うが、最大でも44度と「A10-6800K」から21度もダウンしている。この消費電力とCPU温度の差は、クロック周波数だけでなく、CPUのコア電圧が最大で約0.2V違うのが大きく影響している。

CPU温度(単位:℃) ←better

HWiNFO64でのCPUコア電圧。3.5GHz動作のA10-6700Tは1.25Vだが、4.4GHzのA10-6800Kは1.438Vまで自動で昇圧されている

省電力PCを組む際の
選択肢に入れたい「A10-6700T」

 インテル第4世代Core iプロセッサーで未発売となる低価格&省電力なCore i3シリーズの隙間を埋めるように登場した「A10-67600T」は、コストを抑えながら、クアッドコア&省電力、そして従来のAMD Elite Aシリーズと同レベルの高いGPU性能を備えたPCを組みたい人のいい選択肢になりそうだ。

【関連サイト】

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中