USB DACを導入するだけで、聞きなれた音が生まれ変わる!
伝統と革新の両立、DA-06とDA-100が受け継ぐラックストーン (2/5)
2013年09月02日 12時00分更新
ハイビットレート、そしてDSD、進化する高音質配信サービス
さて、製品の具体的な紹介に入る前にUSB DACをめぐる状況について簡単に触れておきたい。DA-200の発表からほぼ3年。当時は国内大手メーカーがようやくこの分野に取り組み始めたという時期だったが、ソースや対応機器が増え、保守的な業界の雰囲気も少しずつ変わってきている。
CDやSACDといったディスクメディアは現在でもオーディオソースの主流だが、配信で購入あるいはリッピングした音源をパソコンやNASなどに保存し、高音質な単品コンポーネントで聴くといったスタイルもずいぶんと市民権を得てきた。
PCオーディオが注目を集める背景には、ハイレゾやスタジオマスターなどと呼ばれる、CDを上回る音源に柔軟に対応できるという点が挙げられる。しかし逆の見方をすると、PCだけでは音源に含まれた豊富な情報量をなるべくピュアな形で表現するには力不足であるという側面もあるだろう。
USB DACの役割と機能はごくごくシンプルなものである。USB経由でPCから出力されたデジタル信号をアナログの信号に変換し、アンプやスピーカーなどほかのコンポーネントに送り込む。要はPCで再生中の音を従来のHi-Fi機器で鳴らせるよう橋渡しする機器である。PCならではの汎用性と利便性、そしてHi-Fi機器の音と使い勝手の良さを両立できるという点で、単機能ながら応用範囲が広く、多彩な使いこなしが可能になる。
一方、ハイレゾ音源のカタログ数も増え、国内で言えばe-onkyo musicやHQM STORE、あるいはototoyといったサイト。海外ではHD Tracks、LINN Recordsなどが楽曲を配信している。
ダウンロードできる楽曲はサイトごとに特色(と偏り)があるが、それぞれのサイトを横断して楽曲を探す手間を惜しまなければ、選べる選択肢はかなり増えているという印象がある。特に海外配信サイトではインディーズ的なクラシック・ジャズなどの音源だけでなく、メジャーレーベルから出ているポップスやロックなどの音源を楽しめるケースも増えてきた。
フォーマットという観点では、当初は24bit/96kHzが主流だったが、この2~3年の間に24bit/192kHzや24bit/176.4kHzなどCDの4倍以上のサンプリング周波数を持つ音源がかなり増えており、ハイサンプリングの音源を再生できるUSB DACが増えている。
また、昨年ごろから急に話題を集め始めたのがDSDだ。SACDなどでも採用されている方式で、一般的なPCMのデータとは異なり、1bit信号の粗密で音を記録する。PC周りではまずVAIOシリーズのプリインストールソフトにDSD対応の再生アプリケーションが乗り、SDカードなどに保存するポータブルプレーヤーが登場し、2~3年前にDSDファイルの音楽配信サービスが始まり、著名アーチストの作品も徐々に聴けるようになっている状況だ。
一般的なハイレゾ音源の配信がロスレス圧縮のFLACや非圧縮のWAVといった形式のデータを提供するのに対し、DSDではDSFという形式を利用している。そのためDAC側の対応はもちろんだが、ドライバーや再生ソフトなど、PC側の環境も整える必要がある。FLACやDSFはiTunesやWMPでは再生できない形式であり、foobar 2000など高音質をうたう再生ソフトの導入が必要になる。
このあたりはWindowsとMacで事情が異なる面もあり、多少の予備知識が必要になるが、LUXMANの場合は、LUXMAN Audio Playerと呼ばれる専用ソフトとドライバーが用意されており、使用するDACに合わせて音質を含めた最適な環境がすぐに整うという利点がある。
機器に合わせて最適な設定を自動で選ぶ仕組みで、当初はDA-06のみの対応だったが、最近のアップデートでDA-200/100にも対応した。音質面での作りこみもさすが専業メーカーという印象で、ハイレゾ音源をUSB DACで扱うためのハードルはかなり軽減されている。
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