USB DACを導入するだけで、聞きなれた音が生まれ変わる!
伝統と革新の両立、DA-06とDA-100が受け継ぐラックストーン (4/5)
2013年09月02日 12時00分更新
透明感で見通しがいい、Hi-Fi的で爽快なサウンド
編集部に機材が届いて、まずはDA-100を手近にあったCDプレーヤーとデジタル接続し、ヘッドフォンで音を確かめてみた。本来ならPCに接続し、きちんとセッティングしたアンプ・スピーカーと組み合わせるべきなのかもしれないが、聴きなれた機器でDACとしての実力を確かめてみたいと思ったからだ。
一聴してまずハッとしたのは、透明感が高く、見通しがいいサウンド。すがすがしく一皮向けたような明瞭感がある。滑らかでつややかなボーカル、力強いベースそして、広がり感のある空間を演出する高域といった感じで、聴きなれたソースであればあるほど、Hi-Fi的でわかりやすい音質の改善が得られる。CDプレーヤーは少し古いものの、中級クラスの単品コンポでそれなりに満足していたが、その明確な差に大きな期待感が持てる。
DA-100にはdF1とdF2という2種類のフィルターがあり、dF1は左右対称で正確な波形、dF2は立ち上がりが早く少し遅れて減衰していくような波形を返す。標準のdF1ではニュートラルで見通しがよく透明感のあるサウンド。dF2に変えると音調が少しマイルドになり、リバーブのような揺らぎを感じるサウンドで余裕感が出る。こういった細かな調整の楽しみがあるのも楽しい。
特に高性能なヘッドフォンとの組み合わせではこのあたりの差異がわかりやすく、音の楽しさを実感できる。なお、DA-06にはPCM用に3種類、DSD用に2種類のフィルターを用意している。
本格的な試聴をということで、上述の機材をスタジオに持ち込み、じっくりと聴き込んでみた。こちらは送り出しにノートPCを利用して、高音質配信サイトで入手したファイルをいくつか試聴してみたが、スピーカーを接続して使用するのであれば、Mac miniのようなコンパクトなPC、あるいはタッチ機能を搭載したタブレットPCなどを用意してラックなどに収めてみるのも面白そうだ。
デスクトップの場合、ディスプレーとの接続が必要になるが、Macの場合はVNCなどを利用した遠隔操作も可能なので、一度設定だけ済ませてしまえば、ディスプレーは取り外し、手元のタブレットやスマホで操作するといった使い方もできるだろう。音質的に最善ではないが、ハイレゾにこだわらないのであれば、より手軽にMac側のiTunesをiPhoneアプリの「Remote」で操作することも可能なので、手軽さ重視ならそういう方法もあるだろう。
試聴には配信で入手したハイレゾ・DSD音源を中心に利用したが、手持ちのCDをリッピングしたソースも用意して聴いている。今回試聴した主なソースは下記のとおり。
主な試聴ソース
「THE IDOLM@STER / 生っすかSP 弦楽四重奏 初恋組曲」(24bit/96kHz)
「Suara / DSD live session」(DSD)
「上原れな / The Brilliant Best~タイアップコレクション~」(DSD)
「やくしまるえつこ / ロンリープラネット(DSDマスタリング ver.)」(DSD5.6MHz)
「坂本龍一+やくしまるえつこ / adaptation 05.1 - eyrs」(DSD)
DA-06を中心にしながら、DA-100との差も比べながら聴き込んでいく。DSD録音はまだ数が少ないという印象もあったが、実際に探してみると興味深いソースがジャンルを問わず用意されていることがわかる。
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