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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第217回

高速化だけでなく省電力化にも目を向けるPCI Express 3.1

2013年08月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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新フォームファクターの
M.2、PCI Express OcuLink、SFF-8639

 その他のものとしては、新フォームファクターがある。まずは、すでにソニーの「VAIO Pro」などで採用が始まったM.2がある。M.2そのものの話は前回も触れたが、SATA Express同様にPCI ExpressとSATAの両方を利用できる、モバイル機器向けのフォームファクターである。

M.2の仕様。筆者が聞く限り、リビジョン0.7→0.9では大きな変更や修正はなかったそうで、また通常0.9→1.0でもあまり大きな問題が出ることはないため、基本的にはこのままスムーズに標準化が完了しそうだ

 このM.2、上の画像には「まもなくリビジョン0.9がリリースされる」とあるが、すでにリビジョン0.9はリリースされており、現在メンバーによるレビュー期間となっている。このレビューの受付期間が10月14日までとなっており、ここでレビューを締め切った上で、問題がなければ今年末もしくは来年早々にリビジョン1.0がリリースされることになるだろう。

現在進行中の3つのフォーフファクター関連の追加仕様。もっとも右上のNGFFはM.2のことで、しかもリリース時期が間違っている(2013年第1四半期はとっくに過ぎている)

 他にもいくつか進行中のものがある。一番ホットなのはPCI Express OcuLinkで、これはすでにあるPCI Express ケーブルの代替となり、Gen3とおそらくGen4をx4レーンまでケーブルの形で引っ張り出せるというものになる。

OCuLinkの名前の由来は、OpticalとCupperの両方をサポートするLinkだから。ただレーシックの手術の技法にOCuLinkというものがあり、あまりに紛らわしいのでは?と尋ねたら「じゃCuOLinkにするか(笑)」という返事が返ってきた。今のところ変更の予定はない模様

 特徴的なのは、配線が銅配線とオプティカルの両方に対応することで、実際当初は銅配線ベースのものとなり、将来はオプティカルケーブルになるだろうとしている。こちらはまだリビジョン0.7に向けての開発を行なっている最中で、年内にリビジョン0.9がリリースできるかどうかというあたりだ。

 もう1つが、「SFF-8639」に関するものである。前回のSATA 3.2の解説時には省いたのだが、SATA Expressではサーバー向けの用途も考慮しており、こちらは「SFF-8639」というコネクターを使って接続することになっている。SATA ExpressということでPCI Expressの信号が出るわけで、これに関する仕様の策定も並行して行なわれており、現在リビジョン0.3のレビューが行なわれている最中である。

SATA Expressのサーバー向け用途で採用される「SFF-8639」。コネクター自体は汎用のものである

 以上のように、SATAやUSBと異なりPCI Express関連はあまり動きがない。強いて言えば、年末から来年にかけてM.2が本格的に立ち上がるだろうという程度で、PCI Express Gen4はまだ当分先である。

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