8月20日。ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、スマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)の累計ダウンロード数が、サービス開始から1年半で国内1800万回を突破したと発表した。
韓国や北米市場においてもそれぞれ100万ダウンロードを達成するなど、利用者数を着実に伸ばしている。
一見、パズドラはいま最も成功しているスマホ向けゲームに見える。ところが、ダウンロード数だけで見ると、さらに上をいくタイトルがある。それは「LINE POP」だ。
LINE POPはSNS「LINE」と連動したスマホ向けゲーム。リリースからわずか半年の今年6月に、全世界で3000万ダウンロードを突破している。
LINEは現在16タイトルのゲームをリリースしているが、累計ダウンロード数は今年3月時点ですでに1億に到達。LINEはゲームプラットフォームとして、すさまじい勢いで成長している。
もちろんLINEは本業のチャットサービスも好調だ。サービス開始からたった2年間で国内4700万人、世界で2.3億人のユーザーを抱えるインフラになった。
同社の森川 亮社長は、8月21日に開催されたイベント「ハローフレンズ」で、LINEの事業領域拡大を発表。音楽配信やビデオ通話、EC事業への参入を明らかにした。ユーザー数を武器にした収益拡大の意図が見て取れる。
しかし隣国へ目を向ければ、LINEが足下にも及ばないユーザー数を抱えるチャットアプリがある。中国テンセントの「微信」(ウェイシン)は、5月に全世界でユーザー数が4億人に到達している。
そのうち1億人は中国国外のユーザーで、タイやインド、南アフリカ、中南米といった地域で登録者を伸ばしているという。今後のスマホ向けサービスは、アジアやアフリカといった地域にビジネスチャンスがありそうだ。
そんな状況を横目で見ているのがフェイスブックだ。8月20日、同社は新興国におけるインターネットの普及を目指し、韓国サムスン電子や米クアルコムなど6社と共同で新団体「インターネット.org」を設立した。
フェイスブックによると、全世界のネット利用者は27億人。残りの50億人をネットにつなげることが団体の目的だ。データ転送の効率化で、ネット利用コストの削減に取り組む。低価格スマホに関する技術の公開も検討しているという。
パズドラやLINEの成長は、まだまだこれから。50億人市場の眠りを覚ませば、先行するサービスを一挙にゴボウ抜きすることも夢物語ではない。