
今回からのスマホ定点観測では、バッテリー容量3000mAh以上という現行モデルのスマホで最強クラスのスタミナを誇る3機種を比較していく。スマホの不満点であるバッテリー持ちはどうなっているのか。そしてこの3機種で最強の1台はどれか。気になる疑問を解決していこう。
バッテリーが大きい3機種の概要
比較するスマホは、ドコモ「ARROWS NX F-06E」、au「AQUOS PHONE SERIE SHL22」、ソフトバンク「AQUOS PHONE Xx 206SH」の3機種。主要3キャリアから1台ずつ選んでいる。
各機種を大まかに紹介すると以下のようになる。
■ドコモ「ARROWS NX F-06E」
CPUをこれまでARROWSシリーズのハイスペック機で採用してきたTegra 3から、クアルコムのSnapdragon 600に変更。スペックの高さはそのままに電池持ちや使いやすさにも力を入れたシリーズ最高峰モデルである。メーカーの売り文句には「2日間を大きく上回る電池持ち」とある。
■au「AQUOS PHONE SERIE SHL22」
auのスマホでは初となるIGZO液晶を採用。バッテリー容量も大きく、KDDIのリリースには「IGZOで驚きの3日間」と表現されている。画面サイズは4.9型と若干小さく、画面解像度もHD止まり。この点も消費電力を考えると逆に有利かもしれない。
■ソフトバンク「AQUOS PHONE Xx 206SH」
こちらのAQUOS PHONEはIGZOではないが、シャープ独自の「S-CG Silicon液晶システム」を搭載している。逆に画面解像度はフルHDだ。またauのSHL22には無い機能もあり、特にフルセグ対応という点は注目だ。宣伝フレーズは「余裕の2日間超え」である。
このようにどの機種も2日間以上持つと、メーカー側はアピールしている。もっともユーザーの使い方は様々。ガンガン使いたい人も多いはず。そのあたりも今後テストしていこうと思う。
それではまずは主要スペックを見てみよう。
ドコモ 「ARROWS NX F-06E」 |
au 「AQUOS PHONE SERIE SHL22」 |
ソフトバンク 「AQUOS PHONE Xx 206SH」 |
|
---|---|---|---|
メーカー | 富士通 | シャープ | シャープ |
本体サイズ | 約70×139×9.9mm | 約70×142×9.9mm | 約71×140×9.9mm |
重量 | 約163g | 約155g | 約159g |
画面サイズ | 5.2型 | 4.9型 | 5型 |
画面解像度 | 1080×1920ドット | 720×1280ドット | 1080×1920ドット |
OS | Android 4.2.2 | Android 4.2.2 | Android 4.2.2 |
CPU | クアッドコア 1.7GHz | クアッドコア 1.7GHz | クアッドコア 1.7GHz |
ROM/RAM | 64GB/2GB | 16GB/2GB | 32GB/2GB |
メモリーカード | microSDXC(64GB) | microSDXC(64GB) | microSDXC(64GB) |
下り最大通信速度 |
100Mbps (Xi) |
100Mbps (4G LTE) |
76Mbps (SoftBank 4G) |
無線LAN | 2.4/5GHz対応 | 2.4/5GHz対応 | 2.4/5GHz対応 |
テザリング | ○(最大8台) | ○(最大10台) | ○(最大10台) |
カメラ画素数 |
1630万画素CMOS (裏面照射型) |
1310万画素CMOS (裏面照射型) |
1310万画素CMOS (裏面照射型) |
インカメラ |
130万画素CMOS (裏面照射型) |
207万画素CMOS (裏面照射型) |
207万画素CMOS (裏面照射型) |
防水/防塵 | ○/○ | ○/○ | ○/× |
ワンセグ連続視聴 | 6時間 | 11時間30分 | 8時間30分 |
FeliCa | ○ | ○ | ○ |
赤外線通信 | ○ | ○ | ○ |
NFC | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
HDMI | ○(MHL) | × | ○(MHL) |
SIM形状 | microSIM | microSIM | microSIM |
バッテリー容量 | 3020mAh | 3080mAh | 3080mAh |
Qi | × | × | × |
カラバリ | Black、White | ブルー、ホワイト、ブラック | ラスターホワイト、ブルー、ブラック |
3機種の強力なスペック&機能
3機種とも各社のフラッグシップ級と言える、強力なスマホだけにスペック、機能ともに大変充実している。
順に見ていくと、いずれも5型クラスのディスプレーを搭載しているだけに幅は70mm以上と大きく、重さは3機種とも150g以上だ。とはいえ、見た目もスマートで、以前の5型スマホより大振りな印象は抑えられている。
CPUは3機種ともクアルコムのAPQ8064T。メモリのRAMも2GBとハイスペックだ。ただしストレージ容量は3機種で大きな差があり、ARROWS NXは64GBと大きい。
3機種とも無線LANは5GHz帯+IEEE802.11ac対応だ。防水は3機種とも対応し、AQUOS PHONE Xxのみ防塵非対応だが、弱点というほとではないだろう。ワンセグなど他の日本向け機能にもフル対応だが、フルセグについてはARROWS NXとAQUOS PHONE Xxが対応している。
このようにほとんど互角のスペックが並ぶ一方で、気になる部分もある。まずAQUOS PHONE SERIE。前述のようにディスプレーの解像度はHD止まり。他の2機種はフルHDだ。内蔵ストレージも16GBと小さめで、HDMI出力も非対応(3機種ともMiracastには対応)。
一方、ワンセグの連続視聴時間では11時間30分と他の2機種に圧倒的な差をつけている。3機種のバッテリー容量は3020mAhと3080mAhだからほぼ同じだが、バッテリー容量だけではスタミナが決まらないことが分かる。このあたりも今後のテストで確かめていきたいと思う。
全体を見ると、ARROWS NXがAQUOS PHONEの2機種と同等かそれ以上のスペックが並べられており、対応している機能もパーフェクトと、まずはリードしたと言える。

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