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佐武宇綺が聞いちゃいます オーディオのココが知りたいです! 第4回

9nineのライブやレコーディング話も飛び出す貴重な対談

うっきーの答えは完璧!? 聴き比べテストでわかる音源の差 (5/7)

2013年08月20日 15時00分更新

文● 荒井敏郎

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ライブの音は意外と苦戦する

ハイレゾも知らない、アナログレコードも聴いたことがない、のに、満点の結果というのはかなり驚きです。オーディオ女子として、その実力を証明できました

佐武 9nineの場合はかんちゃんが基準になりますね。それに合わせます。かんちゃんが語尾を伸ばしたら伸ばすし。かんちゃんが息を吸ったところで息を吸おうとか……。だからかんちゃんがキーを高くしたらそれに合わせなくちゃいけないんです。海荷(川島海荷)やちゃあぽん(西脇彩華)はキーが低いほうだから、いつも「かんちゃん高いよ」って泣いてます。それこそ「colorful」はめっちゃキーが高くて、ちゃあぽんは「喉から血が出る」って言ってました(笑)。

小島 ただ、レコーディングでそう録ったとしても、ライブだと初めてメンバー同士の声が混ざるわけですよね。

佐武 そうなんですよ! だからライブがいちばん苦戦しますよね。ライブハウスによって違いますし……。例えば、代々木第一体育館などの大きなホールだと、音がもわんもわんしちゃうし反響して返ってくるんですよ。自分で歌っている声があとから聞こえてきて、全然歌えなくなります。いまは7年くらいイヤモニを使わずやってきて慣れてきたので対応できるようになったんですけど、最初は対応できなくて喧嘩ばっかりでした。「私のマイクの音を大きくしてください」みたいな。そうするとみんなの音だけ大きくなって、ワーワーなるだけなんですよ。いまはちゃあぽんの音を基準にとか、かんちゃんの音を基準にとかして、バランスがとれるようになってきました。

小島 面白いですね。レコーディングとライブって違うんですね。

佐武 全然違いますね。レコーディングは自分の感覚で歌えるんですけど、ライブだとその場で音が変わるんです。その中で自分のパートを歌わなくちゃいけないから難しいですね。

小島 最初にやるのはレコーディングで、基準になるのはCDの音だと思うんですけど、そうするとCDとライブの音が変わってきますよね。

佐武 変わってきますね。ただそれはCDのマスタリングにもよるんですけど……。以前はCDのクオリティーを上げるために、例えば息継ぎの部分を合わせたりとか、細かく調整していました。なので、ライブでやったときにライブの音がCDよりも生々しすぎて全然違うじゃんってなってたんですよ。いまはその子が歌いたい歌い方をベースにCDも作っているので、ライブとあんまり変わらなくなってきています。だから作る人によると思います。

小島 アルバムでいうと「9nine」と「CUE」で違いますね。

佐武 全然違いますね。

小島 個人的には「CUE」のほうがオーディオ機器で鳴らしがいのある音だと思います。

佐武 そうなんですね。ただ、いまでもまだ違和感はあります。だから、ライブはライブのよさを出そうと思ってやっていますね。曲の間にコールを入れたりして、ライブでしか聴けないものにしたいんです。

小島 CDでライブ盤などは出さないんですか? いまはライブは見るものだし、DVDの音がいいので、映像になっちゃいますか。

佐武 それに、いまのうちらじゃライブの音源をそのまま使うなんてできないですね(笑)。もうちょっとクオリティーを上げてからじゃないと。でもいつかやってみたいですね。ライブはヘッドマイクなので大変なんですよ。ハンドマイクのほうが簡単に歌えます。距離がつかめるし、語尾で口から離したりできるので。ヘッドマイクはずっと口元にあるので、息の音も拾ってしまうんです。自分が歌っているときに誰かの息が聞こえちゃったりとか……。

小島 あれは客席では聞こえないんですけどね(笑)。

佐武 そうなんですね。

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