太陽電池の非力さに嘆く自由研究
添付のテキストブックには、自由研究する上での心構えやレポートのまとめ方などが指南されている。そこで筆者なりにレポートをまとめてみた。
【研究の目的】
太陽光発電の少なさに愕然としてみる
【使用した機材や材料】
- ソーラーパネル スゴイソーラーパネル(10W)
- テスター METEX M6000-H
- パソコン HP Pavilion Sleekbook 14-b107AU
- データ記録ソフト Ts Digital Multi Meter Viewer Ver3.4.2
- 負荷 自作1Ω20W抵抗
【手順】
- 1、スゴイソーラーパネルのUSB出力端子に1Ωの抵抗をつなぐ
- USBの出力は5Vなので、5Ωの抵抗を接続するとオームの法則により、5(V)=5(Ω)・I(A)となる、電流Iは1A流れるようになる。1Aの電流は、スマートフォンを急速充電するのに必要な電流で、ソーラーパネルでスマートフォンを充電するのとほぼ同じ状況を再現できる。
- 2、回路の途中に電流計を入れ日の出から日の入りまでの1分ごとの電流を測る
- 太陽光が少ない朝や夕方もあわせて、一日でソーラーパネルが発電できる電流を1分ごとに記録する。なおソーラーパネルは昼の12時に太陽が南中した際、真正面に向くように設置。朝夕は斜め横からの日差しとなる
- 3、データを集計してグラフ化し1日あたりの発電量を計算する
- 過去の実験よりスマートフォンはおよそ300mAの電流でも、低速充電が可能になるので、データを集計して300mA以上電流が出力できてきる時間と平均電流を求めて、計算から発電量を算出する
【結果】
測定日:2013年8月7日
場所:神奈川県横浜市港北区
天候:快晴(気象庁発表による)
日の出と日の入り:4:53~18:40(国立天文台による)
空模様:快晴
【考察】
測定した日は時おり太陽に雲がかかることはあったが、ほぼ快晴だった。しかし10Wのソーラーパネルでは、12時43分にマークした530mAが最大電流で、スマートフォンが急速充電できるほどの電流はなかった。しかし別の実験によりスマートフォンの低速充電が可能な電流は300mA程度と分かっており、これに照らし合わせると朝の9時から夕方の16時まで充電可能ということが分かった。ただし、季節により太陽の軌道や日照時間は変わるので、8月上旬の場合となる。
その間の平均電流はおよそ400mAなので、7時間の充電時間があるため、モバイルバッテリーなどで表記されている電力量に換算すると2800mAhとなる。これはスマートフォンを1回以上フル充電するのに十分な容量といえる。
ソーラーパネル1枚では、朝夕に発電できる電流は300mA、昼は500mAなので、同じパネルを3枚用意して並列に接続すると、朝夕は900mA、昼は1500mAh程度の電力が取り出せるので、スマートフォンの急速充電も可能になると思われる。
【感想】
これだけ大きなソーラーパネルを使ってもスマートフォンを急速充電できるだけの発電ができない。太陽光発電はクリーンだが、あまりにも非力すぎるんじゃね?
大人ならスゴイ扇風機で3日間サバイバルしてみる
テキストブックでは、電気の仕組みなどの自由研究が中心だったが、もっと発展させて「3日間スゴイ扇風機でサバイバル生活してみる」というような応用も可能だ。
昼間はスゴイソーラーで本体を充電して、夜にラジオを聞きながらLED懐中電灯で過ごす。電池が切れるとかなりハードなサバイバルになりそうなので、子どもも大人も大きく成長できるに違いない。