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アプリかと思うような見た目の「Tone Garage」

乾電池で動く!真空管200Vで駆動のエフェクターを実戦投入

2013年08月10日 12時00分更新

文● 四本淑三

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真空管非搭載機でもアナログを追求

 真空管搭載機に比べると、なんとなく添え物のような感じですが、同じ筐体を利用したアナログディレイ「Double Deca Delay」と、「Trike Fuzz」というオクターバーも、今時あり得ない感じのエフェクターです。名前がやっぱり乗り物です。このシリーズが進むうちに、ロータリーとか1輪車が登場したりするのでしょうか。

 「Trike Fuzz」は下に1オクターブと2オクターブ、そして上に1オクターブ乗せられる。なのでTrike(三輪)。最初から矩形波にクリップした音しか出ない昔ながらの回路で、最近のピッチシフターと違って和音を弾くと音はグチャグチャ、ハイポジションでないと上手くピッチが追従しないという欠点も昔のまま。

 でもワンポイントのトリッキーなプレイで、これがかなり目立ちます。ジェフ・ベックの「ブロー・バイ・ブロー」の邦題が「ギター殺人者の凱旋」だったことを覚えている人は買いましょう。

昔ながらのオクターブファズの音ながら音域の広い「Trike Fuzz」。下に2オクターブ、上に1オクターブ出るからトライク(三輪車)

「Double Deca Delay」は今秋発売予定。BBDを1素子使ったディレイ(最長300ms)と、3素子つないだディレイ(最長900ms)の2つを組み合わせているのでダブルデッカー(ロンドンを走っている2階建てバスですね)

 「Double Deca Delay」に使われているBBD(Bucket Brigade Device=バケツリレー素子)は、70年代後半から80年代にかけてコーラスやフランジャーによく使われていたものです。BBDはコンデンサーの充放電で信号を遅らせる素子で、テープエコーのようなメンテナンスが不要、かつ当時はまだ高価だったデジタルディレイよりは安いというのが利点でした。

 Double Deca Delayはショートとロングの2つのディレイを組み合わせてマルチタップディレイ的な効果が得られる他、ショートとロングでフィルターの特性が変えてあり、ディレイごとにトーンの異なる効果が得られる他、エコーフィードバックを上げると自己発振もするのが特徴になっています。

 しかし、このDouble Deca Delayのみ秋の発売となっています。その原因はBBDの調達難にあるようです。フィルタリングしたディレイならデジタルでも十分できるはずで、これを設計した人たちは相当な凝り性ではないかと思われ、素晴らしいです。

 さて、真空管搭載機を個別に見ていきますと、まずFLAT 4は、基本的にギターの音量を上げ、アンプに入れることで歪みを得るブースターです。したがって良質なアンプと組み合わせて、初めて良さが生きるペダルとも言えるでしょう。

 ところで私、その「FLAT 4」をいきなり買ってしまいました。

渋谷のMUSIC LAND KEYで購入。税込14800円。宛名書き付きの領収書なし。自腹です

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