別の階にある応接室で測定
1階に移動。玄関隣の応接室で計測した。ここはIEEE 802.11nでは非常に電波が弱いところ。結果はビームフォーミングありの方が明らかに高速だった。PINGの数値は悪いものの、実際に利用していて問題なし。従来(IEEE 802.11n)は途切れがちだった電波も問題なくつながっていた。
応接室の測定結果 | |||
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ビームフォーミング | PING(ms) | ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) |
なし | 16 | 23.6 | 66.9 |
あり | 22.5 | 47.6 | 78.9 |
ルーターの真下のリビングで測定
応接室は廊下をつたって事務所部屋から電波の通り道があるのだが、リビングは応接室前で折り返す配置になっている。そのため、やはり電波が悪い。Apple TVで映画をダウンロードする際、いきなりストリーミング再生を始めると途中で止まってしまうくらいだ。
結果はビームフォーミング“あり”がやはり大幅にアップ。ダウンロード・アップロードともにビームフォーミング“なし”よりも約1.5倍のスピードアップとなった。
リビングの測定結果 | |||
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ビームフォーミング | PING(ms) | ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) |
なし | 19 | 21.7 | 69.6 |
あり | 17.5 | 32.3 | 107.8 |
まったくつながらない場所もありました……
最後のチャレンジしたのが風呂場。IEEE 802.11nは非常に微弱で、ウェブのブラウジングはともかく、動画視聴はほぼ無理だった。
結果はなんと、ビームフォーミングあり/なし、どちらもNG。速度計測が正常に終了することはなかった。これまで使っていたIEEE 802.11nは2.4GHzで利用していたので、何とかつながっていたのだろうか。直進性が高い5GHzの周波数ではしかたのないところか。
予想以上に効果大!
製品にはビームフォーミング対応を明記してほしい!!
今回の測定ではすべての場所で「Wifi Analyzer」というアプリで電波強度も計測した。しかし、結果は同じか誤差範囲の違いしかなかった。ビームフォーミングの有/無はアプリで計測できるほどの違いは出ないのだろう。
とはいえ結論として、ビームフォーミングは思いっきり効果があった。親機が子機を探すための余計な通信のために、それほど効果は出ないのではないかと想像していたのだが、嬉しい結果となった。
特に1階の応接室やリビングでの反応が顕著に改善されたのはすごい! 確実に、ビームフォーミングが効いていると言える。
デメリットがないのだから、これからIEEE 802.11ac対応製品を購入するならビームフォーミングありのモデルがオススメだ。子機も対応している必要があるのだが、問題は自発的にビームフォーミング対応を謳うスマホやPCがほぼないこと。
結果を見る限り、今後のスマホやPC選びにも影響しそうであり、メーカーはぜひ積極的にビームフォーミングを謳ってほしいと思う。