IEEE 802.11acビームフォーミングの効果を実際に測定してみる
問題となるのは、ビームフォーミングは実際に有用なのか、というところ。そこで今回は、ビームフォーミング対応を謳うバッファローの「WZR-1750DHP」を利用して、その効果のほどを検証してみた。
ビームフォーミングは設定でオン/オフできる機能ではない。今回は特別にファームウェアでビームフォーミングを無効化した機材を用意し、通常の製品(ビームフォーミングが有効)と比較する。子機にはGALAXY S4 SC-04Eを用意した。
筆者の自宅兼事務所は木造の一戸建てだが、大きいのでIEEE 802.11nでは場所によって電波が届かなかったり、届いても非常に弱かったりする。IEEE 802.11acによる高速化は非常に期待しているところだ。
速度計測には「Speedtest.net」を利用した。
ルーターと同一の部屋で測定
まずは、無線LANルーターを設置した2階の事務所部屋で計測。ビームフォーミングの“あり”と“なし”を比較すると、ダウンロード速度は大きく向上しているが、アップロード速度はそれほど変わらなかった。というか、スマホの実測で100Mbps以上のアップロード速度を叩き出すIEEE 802.11acはすごい!
事務所部屋の測定結果 | |||
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ビームフォーミング | PING(ms) | ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) |
なし | 18 | 60.2 | 104.8 |
あり | 17 | 83.5 | 106.9 |
壁とクローゼットを挟んだ寝室で測定
次は、同じく2階にある隣の寝室で計測した。ルーターとの距離は10mほど。間にクローゼットと壁を挟んでいる。
ビームフォーミング“あり”の場合、“なし”の場合と比較してダウンロード速度が1.4倍にアップ。アップロード速度はほとんど変わらないが、なぜか事務所部屋よりも高速だった。
寝室の測定結果 | |||
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ビームフォーミング | PING(ms) | ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) |
なし | 19.5 | 39.9.2 | 120.6 |
あり | 16 | 55.8 | 121.3 |