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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第23回

本と著者の契約、ホントはどうなってるの?

2013年08月16日 09時00分更新

文● 前田知洋

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出版契約や翻訳出版契約、出演契約から秘密保持契約まで、気がついたら多くの契約を結んでいた

まず、役割の分担

 まず書いてるのが「著者が著作物を作り、出版社が複製して頒布する」という基本事項。お金の話では「著作物を作る経費は著者が持ち、出版社は複製や頒布のための経費を持つ」なんて、キッチリと分けることが明記してあります。だから、出版記念トークショーなどをするなら、出版社が経費を出すことになります。

 ただし、「取材などで、著作物を作るときにお金がたくさんかかるなら、出版社と著者が話し合いで決めよう」なんて補足もしてあります。(ちなみに、契約書の文言は硬いので本記事中の「」内は、著者の解釈です)

次はパクリはダメだよって約束

 次の契約上の大きな柱は「契約期間中(一般的に書籍は3年ごとの更新)に著者は「明らかに類似する作品」を出版できない、または他人に出版させない」こと。あたりまえですが、同じ内容の本を他の出版社で出してもダメだし、誰かがパクった本を出版させないようにしてねって話。まぁ平たく言えば「裁判上等!」ってことでしょう。

続いて、定価とか、著作権使用料(歩合)のお金の話

 続いて、価格がいくらで、定価の何パーセントを著作権使用料として著者に払うかの約束が書かれています。ただし、「書評など宣伝用に使う冊数分は著作権使用料は免除してね」というのが一般的なようです。よく、プロモーションなどで配布される書籍やDVDなどに「販促用非売品」といった文字が印刷されているあれです。著作者やアーティストに著作権使用料が払われないので、オークションなどで見つけても買わないように。

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