キヤノンソフトウェア(キヤノンソフト)は8月6日、Webアプリケーション開発基盤の新バージョン「Web Aviator v1.3」の提供を開始した。従来のアマゾンウェブサービス(AWS)だけでなく、他のパブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミス基盤でも、開発したアプリケーションを実行できるようになった。
Web Aviatorは、AWSを利用してWebアプリケーションの開発/検証/本番稼働を迅速に実現する“クラウド開発基盤”。開発環境はAWSの仮想マシンイメージ(AMI)として提供されており、顧客はこのAMIからインスタンスを作成するだけで開発/検証を行うことができる。
Web Aviatorでは、Webブラウザ上の操作だけでフォーム定義(画面定義)、業務ロジック定義、データアクセス定義(SQL定義)を行い、PCやスマートデバイスに対応したWebアプリケーションを構築できる。アプリケーションを構築すると、Web Aviator内部では独自の「定義体」が生成される。この定義体を実行エンジン「Web Aviator Player」が読み込むことで、アプリケーションが稼働する。
今回のバージョンアップでは、実行エンジンのWeb Aviator PlayerがAWS以外の環境(他のパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミス)にも導入できるようになった。これにより、AWS上のWeb Aviatorで開発したアプリケーションをどこでも本番稼働させることができる。
AWS以外に配備する場合の稼働環境は、OSがRed Hat Enterprise Linux 6またはCentOS 6、データベースがMySQL 5.5、WebサーバがApache 2.2、アプリケーションサーバがTomcat 7.0。なおWindows Server 2008 R2にも2013年10月より対応する予定。
キヤノンソフトでは、アプリケーションのポータビリティ(可搬性)が実現したことにより、将来的なプライベートクラウド移行を視野に入れたオンプレミスアプリケーションの開発、AWSのDR(ディザスタリカバリ)サイトとしての利用など、柔軟なアプリケーション運用ができるメリットがあると述べている。
Web Aviatorの開発環境ライセンス(Sライセンス)は3カ月間無償。実行環境ライセンス(Fライセンス)は年額18万円(10ユーザー)からで、今回より新たに一括(買取)ライセンスも追加されている。
キヤノンソフトでは同製品を大手、中堅SIベンダーを中心に拡販し、2015年までに売上10億円(導入関連のシステム開発売上含む)を目指すとしている。