SATA3.0の最新SSDを搭載する
チップセット制御下のSATAポートが、SATA2.0(3Gbps)の「Mac Pro」。HDDなら最大転送速度が300MB/sのSATA2.0でも十分だが、最新SSDでは500MB/sを超える速度が台無しになってしまう。そこで登場するのがSATA3.0ポート増設カードなのだが、Windows向けと違って需要が少ないためか、Mac対応を謳う製品は非常に少ない。
そんななか見つけたのが、カード上にSSDを搭載できるSATA3.0カードのApricorn「Velocity Solo x2」とSONNET Technologies「Tempo SSD 6Gb/s SATA PCle 2.0 Drive Card for SSDs」になる。もちろん、Mac OS Xのブートに対応。さらにWindowsにも対応しているので、Boot Camp時も大丈夫だ。
両カードともにSATA3.0コントローラにMarvell「88SE9182」を搭載。最大2台のSATA3.0対応デバイスを接続できるようになっているが、面白いのがSONNET Technologies「Tempo SSD 6Gb/s SATA PCle 2.0 Drive Card for SSDs」(以下:Tempo SSD)。
「Velocity Solo x2」は、SATA3.0ポートのみだが、「Tempo SSD」はSATA電源コネクタも装備。付属プレートを使うことで2台目のSSDもカード上に固定可能だ。また、初めから2台のSSDを搭載でき、より高速な転送速度に対応する上位モデルの「Tempo SSD Pro 6Gb/s SATA PCle 2.0 Drive Card for SSDs」(実売価格 2万9000円前後)もある。
複数カードがあると、どうしてもその速度が気になってくるもの。パワーアップ用に購入したSamsung「SSD 840 Pro」を使って、速度に違いがでるか試してみよう。
Blackmagic Disk Speed Test
計測に使用したのは、Mac環境でのSSD計測でおなじみの「Blackmagic Disk Speed Test」使用。速度は高速であればあるほどテンションが上がるタコメーターで示されるのがグッド。
リードはほぼ同じだが、ライトは「Tempo SSD」が25MB/s前後遅くなっている。Intel「Core i7-4770K」を搭載する自作PC環境での「CrystalDiskMark」と「ATTO Disk Benchmark」でも、同じ傾向だった。SATAコントローラは同じながら、「Tempo SSD」のほうがオーバーヘッドが大きくなっているようだ。
CrystalDiskMark
ATTO Disk Benchmark
どちらを選んでも最新SSDの性能をしっかり引き出してくれるが、書込速度優先ならApricorn「Velocity Solo x2」。2台のSSDを簡単に搭載でき、Mac OS XによるソフトウェアRAIDも視野に入れるなら、SONNET Technologies「Tempo SSD 6Gb/s SATA PCle 2.0 Drive Card for SSDs」といったところだろう。
ちなみに筆者は、速度&1万2000円前後の価格に惹かれて「Velocity Solo x2」をチョイスした。続いてはMac Proパワーアップの最大の目玉。ビデオカード換装に着手していこう。