最新スマホでも動作するモデルとしないモデルが……
結論から言うと、やはり動作するモデルとそうでないモデルがあった。USBホスト機能は設定でON/OFFするような機能ではないので、うまくいくモデルではD-zero SEと付属のUSB OTGケーブルで接続するだけで、D-zero SEから音が出るようになる。
7モデルをテストしたうち、接続して一発で音が出たのは「GALAXY S4」と「HTC J One」「ARROWS NX」「Xperia A」の4モデルだった。仕様の違いが大きいAndroidスマホでこの成績はいい方だと思えるが、確率的にはうまくいかない場合も多い。
最新の端末で、しかもAndroidも最新のものであれば多くのモデルで使えると思うが、今回の検証で音が出なかった「ELUGA P」や「AQUOS PHONE ZETA」、「DIGNO R」もその条件を満たしているので、機種固有の問題はありそうだ。
ちなみに、うまくいかない場合はどうなるかというと、D-zero SEからではなく、スマホ本体の内蔵スピーカーから音楽が再生されてしまう。
そして、手持ちの古いAndorid端末(OSは最新のもの)でも再度試してみたが、一度はうまく行くのだが、他のアプリを使用するなど別の操作をした後だとうまく認識しないこともあった。この場合、電源オフにして再起動するとまた聴けるようになるなど、動作が不安定なモデルもある。
アナログ接続からランクが跳ね上がる
D-zero SEのデジタル出力
D-zero SEによるデジタル接続の音はそんなにいいのか? 実際に試聴してみた。
パッと聴いてわかるのは目の前が晴れたかのような見通しのよさだ。S/Nがよくなって解像感が高まるし、ドラムのアタックの勢いや反応のよさがある。
後からアナログ接続で聴いてみると、どうしてもモヤモヤとした印象に感じやすい。低音も量感というよりもぼやけがちで音階が曖昧に感じてしまう。
D-zero SEそのものの基本的な音の傾向は、やや穏やかながら聴き心地のいいサウンドで、パワー感や情報量もしっかりとしている。ポータブルアンプとしてもコンパクトな部類に入るモデルながら、アナログ接続でも悪くはない。
それでも、デジタル接続にするといきなり音質的なランクが跳ね上がるので、本機はAndroidとデジタル接続で使うのが一番と言えるだろう。
Androidでデジタル接続というのは、音質的なメリットが極めて高いので、今後はこうしたUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプが増えてくるだろう。スマートフォン側もこうした使い方がメジャーになれば、きちんと動作するように改善するはず。
環境さえ整えば、Androidスマホは立派に高音質プレーヤーとして使えるようになる。前回紹介したように、バッテリー寿命もかなり改善されてきたので、プレーヤー機能ならば常時使ってもそれほど負担を気にすることもないはずだ。
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