「大きなものから小さなものまで動かす力だ ヤンマーディーゼル」でよく知られるヤンマーが、創業100周年を機にブランドを一新するプロジェクトを本格始動させた。プロジェクト名は「YANMAR PREMIUM BRAND PROJECT」。
「TECHNOLOGY×SERVICE×HOSPITALITY」をキーワードとして、「100年培った技術力」「あらゆる視点から考えたサービス」「顧客の欲求を先回りしてかなえるホスピタリティ」をかけあわせ、豊かな暮らしの実現に向けた事業を展開していくという。
ヤンマーでは、新ブランドとともに、トラクターのコンセプトモデルも公開している。
コンセプトモデルのデザインは、今年の4月にヤンマーの取締役に就任した奥山 清行氏が担当。奥山氏はフェラーリをデザインした初の日本人としても知られる人物だ。ボディカラーには同社のコーポレートカラー「ヤンマーレッド」を進化させた「メタリックレッド」を採用。未来的でシャープな印象のボンネットが絞られたデザインは、視認性の向上にも一役買っているという。
ただ未来的で格好いいだけではない。2台を1人でコントロールできる「無人追従システム」を搭載するというのだ。無人追従システムは現在、同社の中央研究所で研究開発中とのこと。同社広報によれば、今後このコンセプトモデルの特徴を取り入れたトラクターを順次量産・製品化していく予定だという。「未来的というより、もう未来なのだ」と感じてしまう。
新たなロゴ「FLYING Y」も発表された。ヤンマーの「Y」と、社名の由来でもあるオニヤンマの羽をモチーフにしたデザインだ。デザインは、国立新美術館のシンボルマークや、ユニクロのディレクションで知られる佐藤可士和氏が担当。鋭角的なフォルムに「技術力」、赤い色に「開拓者精神」「挑戦」「情熱」「太陽」「豊かさ」を込めた。
同社ではこのプロジェクトを、「これからの100年に向けた取り組み」に位置づけている。従来のトラクターとはイメージの全く異なるコンセプトトラクターを見ていると、同社の力強さを感じるとともに、未来の農作業の光景が想起されるようだ。