コミックの品揃えは豊富。ラノベは輸入品頼り?
オタクアイテムショップ続いて、訪れたのはインドネシアのローカル書店。インドネシアのコミックを探しに訪れたのだが、残念ながらインドネシアオリジナルのものは皆無。
インドネシアで販売されているコミックは、日本、中国、台湾、韓国のコミックをインドネシア語に翻訳したものがほとんどで、なかでも日本のコミックの割合が8割以上を占めている。
これらのコミックの多くは、現地の出版社が日本の出版社と契約して販売している正規流通版で、価格は1冊150円前後。最新作とまではいかがないものの、現在連載中の作品も翻訳されている。
日本のコミックは、欧米など一部の地域では翻訳の際に肌の露出や残酷描写を修正する場合があるが、インドネシアで販売されている単行本は修正が加えられた様子はなく、オリジナルの絵がそのまま出版されている。
読者層は、小学生から高校生ぐらいまでのティーン・エイジャーが中心で、インドネシアでは、コミックは子供が読むものというイメージが強く、大人が公共の場でコミックを読んでいると「大人なのにコミクを読んでいるなんて」という目で見られることも多い。
インドネシアで人気の作品は、女性はおのえりこ先生の「こっちむいて!みい子」(インドネシアでは「Mikko!」)、男性は青山剛昌先生の「名探偵コナン」とのこと。
ライトノベルなど、コミック以外の翻訳は進んでおらず、紀伊國屋書店が輸入販売している日本語版しか入手できない。価格も1冊1000円近いため、ライトノベルを読めるのは、日本語の読み書きができるハイクラスに限られている。
そのため、インドネシアの若年層が日本のポップカルチャー作品に初めて触れるのは、インターネットを通じてのアニメによるところが多いとのこと。
インドネシアのオタク事情を調査してみたがいかがだろうか。同じアシアでも、だいぶ日本とは環境が異なることに驚いた人もいるだろう。自国で膨大な数のコミックやアニメが生み出され、フィギュアなどの関連商品が販売されている日本は、オタクにとってかなり恵まれている環境だと感じたはずだ。
海外に渡航した際には、こうした現地のオタク事情に触れてみると、いい刺激になるはずだ。
この連載の記事
-
第2回
ゲーム・ホビー
ステージパフォーマンスが盛んなジャカルタのコスプレイベント -
第1回
PC
機内ネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」は便利すぎる! -
第-1回
ゲーム・ホビー
「JAL SKY Wi-Fi」とインドネシアのオタク事情を探る - この連載の一覧へ