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小型サイズでも成立しているBOSEの音

恐ろしいほど低域が出るBOSEのSoundLink Mini

2013年07月20日 12時00分更新

文● 四本淑三 撮影●篠原孝志

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SoundLink IIと同じ音がする驚き

 SoundLink Miniの機能はシンプルそのもので、Bluetoothで接続、あるいはAUX端子にソースをつないで、音を鳴らすだけ。対応するBluetoothプロファイルはA2DPのみで、内蔵マイクはなくハンズフリー通話機能はサポートしていない。ペアリング機器は直近の6台まで記憶するという仕様。

シンプルそのものの操作系。左から電源、ミュート、ボリュームダウン、ボリュームアップ、そして入力切替としてBluetooth、AUX

右側面にはステレオミニ仕様のAUX入力端子と、ACアダプターの接続端子。クレードルを介さず本体に直接ACアダプターを接続しても充電できる。バッテリーはボーズ製品特約店で交換可能

机上の定位置で聴く際に便利なクレードルが付属。この上に載せておくと充電され、本体を持ち上げればバッテリー駆動に切り替わる。バッテリーは充電3時間、駆動時間は平均約7時間

付属のACアダプターは12V仕様。プラグは折りたたみ式で、本体も薄く軽いので携帯に便利

 JAMBOXのようにファームウェアの更新で機能をカスタマイズすることや、バッテリーの残量や動作状況を「喋らせる」こともできない。そうした点で、目新しい機能は皆無といっていい。

 だが、SoundLink Miniで語るべきは、その音である。スイッチを入れて、すぐに感じるのは、恐ろしく低域が出ていることだ。これはJAMBOXの比ではなく、上位機種でサイズの大きなSoundLink IIと体感的に差のないくらい。サイズを超えた低域の量感というのは、まさにこのことを言うのだろう。

 そして何よりも驚きなのが、このサイズになっても、やはりBOSEの音が成立していることだ。ゴージャスな低域に対して、相対的に伸びが感じられないハイエンドも、やはり上級機のSoundLink IIと同じ傾向。つまり、そうしたポリシーでチューニングに臨んでいるということであり、それが成功していることを示している。

 ただし、音量そのものには限界がある。ボリュームを上げていくと、簡単に低域から飽和を始める。それでも机上で使う分には必要なだけの音量が得られるし、このサイズのスピーカーとしては決定的にダイナミックレンジが不足しているようにも感じられない。

 それより気になるのは、左右のユニットが近いことからくる、ステレオ感の乏しさ。低域が出ている割に、音のスケールが小さいという妙なアンバランスを味わうことになる。3日間ほどこのスピーカーと向き合ってみたが、その違和感は最後まで補正できなかった。

 これを解消するために、JAMBOXではDSPで擬似サラウンド効果を得る「LIVE」を選べるが、SoundLink Miniにはそれがない。そもそもDSPで相当にチューニングしているはずなので、どうせなら音場拡張エフェクトがあっても良かったのではないか。

底には防振用のラバーが貼られている。置く場所によって低域の出方がまったく違ってくるので、ベストなポジションを工夫したい

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