SoundLink IIと同じ音がする驚き
SoundLink Miniの機能はシンプルそのもので、Bluetoothで接続、あるいはAUX端子にソースをつないで、音を鳴らすだけ。対応するBluetoothプロファイルはA2DPのみで、内蔵マイクはなくハンズフリー通話機能はサポートしていない。ペアリング機器は直近の6台まで記憶するという仕様。
JAMBOXのようにファームウェアの更新で機能をカスタマイズすることや、バッテリーの残量や動作状況を「喋らせる」こともできない。そうした点で、目新しい機能は皆無といっていい。
だが、SoundLink Miniで語るべきは、その音である。スイッチを入れて、すぐに感じるのは、恐ろしく低域が出ていることだ。これはJAMBOXの比ではなく、上位機種でサイズの大きなSoundLink IIと体感的に差のないくらい。サイズを超えた低域の量感というのは、まさにこのことを言うのだろう。
そして何よりも驚きなのが、このサイズになっても、やはりBOSEの音が成立していることだ。ゴージャスな低域に対して、相対的に伸びが感じられないハイエンドも、やはり上級機のSoundLink IIと同じ傾向。つまり、そうしたポリシーでチューニングに臨んでいるということであり、それが成功していることを示している。
ただし、音量そのものには限界がある。ボリュームを上げていくと、簡単に低域から飽和を始める。それでも机上で使う分には必要なだけの音量が得られるし、このサイズのスピーカーとしては決定的にダイナミックレンジが不足しているようにも感じられない。
それより気になるのは、左右のユニットが近いことからくる、ステレオ感の乏しさ。低域が出ている割に、音のスケールが小さいという妙なアンバランスを味わうことになる。3日間ほどこのスピーカーと向き合ってみたが、その違和感は最後まで補正できなかった。
これを解消するために、JAMBOXではDSPで擬似サラウンド効果を得る「LIVE」を選べるが、SoundLink Miniにはそれがない。そもそもDSPで相当にチューニングしているはずなので、どうせなら音場拡張エフェクトがあっても良かったのではないか。