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小型サイズでも成立しているBOSEの音

恐ろしいほど低域が出るBOSEのSoundLink Mini

2013年07月20日 12時00分更新

文● 四本淑三 撮影●篠原孝志

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2倍動くメインスピーカーと2倍重い筐体

ロゴのある側が前面。左右にメインのスピーカーと中央にパッシブラジエーターをレイアウト

 まず標的となったJAMBOXと較べてみよう。JAMBOXは直線で構成された外観と、ラバーで覆われた独特の質感、そしてポップなカラーリングに、従来のオーディオ機器とは違うんだという主張を感じる。サイズは幅151 X 高さ57 X 奥行き40 mm、重さは327g。持った瞬間は軽いのに、電源を入れた際に感じるパッシブラジエーターの鳴動が、小さくても低音は出るんだというメッセージのようでもある。

 それに対して、曲線とエッジを全体のイメージに取り入れたSoundLink Miniは、モノとしても対照的だ。パッシブラジエーターの駆動に必要な強度と気密性を確保するため、筐体はアルミの押出し成型品。その質感を上手く使い、グレーで統一されたグリルや樹脂パーツの組み合わせで、シックな雰囲気を持たせている。

 SoundLink Miniのサイズは、幅180 X 高さ51 X 奥行き59 mm、重さは655g。大きさはJAMBOXとほぼ同じながら、重さは倍近くある。これは手にしてはっきり「重い」と感じる。

 どちらもメインのスピーカーが左右2基、そしてメインユニットの背圧を受けて動くパッシブラジエーターというユニット構成は同じ。ただ、パッシブラジエーターが1基のJAMBOXに対して、SoundLink Miniは2基積んでいる。

背面にはもう片方のパッシブラジエーターの振動面が

SoundLink Miniの分解図

 これは振動板の表面積を増やして低域を増すと同時に、実はもうひとつの見逃せないメリットがある。JAMBOXのような小型軽量なスピーカーの場合、ある程度ボリュームを上げると、再生する音楽によっては、パッシブラジエーターの振動につられてスピーカー筐体が「歩く」という現象が起きる。

 これを防ぐために、SoundLink Miniは、2基のパッシブラジエーターを背中合わせに配置する「デュアル・オポージング・パッシブラジエーター」と呼ばれるレイアウトを採っている。丁度、ボクサータイプの水平対向エンジンのように、向き合った一対の振動板が逆方向に動くことで、筐体に加わる力を相殺するのだ。

 そのパッシブラジエーターを効果的に駆動するため、メインのスピーカーユニットも、同サイズの従来型に比べ2倍の空気量を動かすことが出来るという。

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