ThinkCentreが10周年、PC以外の価値も追求
レノボのデスクトップ“ThinkCentre”は今年10周年を迎えたのだそうだ。
IBM時代に幅がテニスボール4個分しかない小型モデルとして登場した“ThinkCentre S50 ultra small”(関連記事)だが、それが昨年ゴルフボール4個分の“ThinkCentre Tiny”(関連記事)となった。
小型であるのはもちろんだが、設置方法の自由度が高く、省電力であるという点が市場に受け入れられ、通常「9~10ヵ月程度と立ち上がりに時間がかかるデスクトップ製品の中で、同社史上最速の立ち上がり」になったという。
2011年の震災以降、オフィスの統合が進むなどして、省スペース化の要望が高まってきているという事情もある。Tinyは通常の10倍の検証機を用意したが、その数が足りなくなるほどの引き合いがあったそうだ。レノボの営業担当者は、キャリーケースにTinyを入れて持ち運んでいる。そのキットは全世界で700~800セットほどつくり、日本では100セットほどを使っている。
実際にマーケティングを進めている中で、新しい用途も出てきた。例えば組み込みで制御用に使うといったものだ。MILスペックを取得したり、騒音には目をつぶっていいから、劣悪な環境でも安定して本体を冷却できるよう“FULL SPEED MODE”という高出力なファンモードを用意するといった改善が加えられた。
また、ディスプレーの背後や壁面設置するなど、本体に手が届きにくい場所でも電源が簡単にオンできるように、USBキーボードのAlt+Pで電源投入ができるようにする仕組みも入れている。前面には電源を投入しない状況でも給電が可能なUSBポートも持つ。
モニター対応の幅を広げたり、専用の短いケーブル、あるいはディスプレーアームなどオプション面での充実も進めた。
従来機は4割が光学ドライブなしを選び、6割が光学ドライブやほかのHDDなどを選択しているというが、スペック面では、SSDの高速性とHDDの大容量のいいとこ取りをしたSSHDを搭載するなど、高パフォーマンスを狙っている。