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デジタル時代の漫画家に必要なものとは?

漫画家・佐藤秀峰先生が「CLIP STUDIO PAINT EX」を語る!

2013年08月06日 11時00分更新

文● 松本佳代子、ASCII.jp編集部 撮影●曽根田元

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佐藤秀峰先生がVAIO Duo 13 × CLIP STUDIOでお絵かきに挑戦!

 今回、CLIP STUDIO PAINTの最新バージョンとタブレット型PC「VAIO Duo 13」を使っていただいた。最新バージョンにはタッチ操作に最適化されたインターフェースが搭載されており、タブレットPCと組み合わせて使えば、液晶タブレットのような感覚で描画ができる点が特徴だ。

タブレットPCでの作画は初めてにもかかわらず、下描きもせずにあっという間に描き上げてしまった

作画の様子を動画でチェック!

いつでも持ち歩きたいタブレット

ブログのイラストや、日常のお絵かきでタブレットPCを活用したいと語った

―― 今回、タブレットPCを使っていただきましたが、良かったところはありますか?

佐藤 十分に漫画を描けると思います。欲しいです。自宅と職場では「MacBook Pro」を持ちあるいて家にもタブレットがあるので家でも描きたければつなげていますが、筆圧感知のタブレットPCは初めてです。筆圧が細かく出るのですよ。しかもうまくできていて、描くときに手を置いても、そちらは感知しないでペン先だけ感知するんです。このタブレットは見た目も気に入ったし、意味もなく持ち歩きたいです。

 飲み会でサインを描いてと言われて、その場のノリでコースターの裏に描くと、わぁすごーいとか言ってくれているけど、絶対捨ててるよなぁと思うこともあります(笑)。もし、そんなときはタブレットPCで描いて、データで転送した方が良いんじゃないかと。

―― タブレット用のCLIP STUDIO PAINT EXの使い勝手はどうですか?

佐藤 立ち上げたときの様子が違うので、最初は別の家に帰って来ちゃった感じですが1、2時間触っていたら慣れました。

 絵を描いて説明するような打ち合わせに良さそうですね。今はノートPCを使っているので打ち合わせで絵を描くことはないですけど、これがあれば絵に描いて説明できます。

―― 他に、タブレットPCとCLIP STUDIO PAINT EXで思ったこととかありますか?

佐藤 大人って普段、絵を描かないのです。でもこれがあれば、もっと絵を描くようになるかもしれませんね。 例えば、以前は写真をあまり撮らなかったにも関わらず、Twitterに画像を投稿したくて写真を撮るようになりました。同じように、絵ももっと誰でも描けると思います。

 漫画家さん同士で飲み会すると、1人が絵を描き出すと他の人も脇に描いたりしてクスクス笑ったりと、いい大人が何をしているのかという感じで楽しんでいます。音楽では誰かが楽器を弾きだすと他のメンバーもいつの間にか一緒に弾いて楽しんでいます。そんな感じで、みんなで絵で楽しめたら良いですね。

CLIP STUDIO PAINT EXは自由な画材ツールの1つ

「デジタルに抵抗のある人でも、画材の1つだと思ってください」

―― CLIP STUDIO PAINT EXで改善してほしい点は?

佐藤 ComicStudioより読み込みに時間がかかるという点だけです。変形したときの処理時間とか早くなると良いですね」

―― では、気に入っている点は?

佐藤 僕はComicStudioよりCLIP STUDIO PAINT EXの方が好きです。昔からComicStudioを人使っている人にはComicStudioが良いという人もいますが、「時代がかわったんだよ」と思います。さっきも言いましたが、表現が自由な感じがします。

―― 最後に、CLIP STUDIO PAINT EXで漫画を描こうとしている人へのメッセージをお願いします。

佐藤 いろいろ言ってきましたが、結論から言うと簡単に使えます。

 漫画を描くためには、物語を考えて、コマ割りしてとか、書き始める前に勉強することがたくさんあってハードルが高いと思われてますけど、CLIP STUDIO PAINT EXはソフトの使い方を覚えようと思わずに楽しく使ってください。基本だけ覚えてあとは描きながら覚えれば大丈夫です。

 デジタルに拒否反応をする人も画材の1つだと思ってください。「鉛筆」と「ボールペン」と「デジタルのペン」みたいな同じような感じです。ソフトに対してマニアにならず、かと言って拒絶反応も起こさず、です。

漫画 on Webにて漫画を公開中!

佐藤先生が立ち上げた電子書籍サイト「漫画onWeb」

 今回お話をうかがった佐藤秀峰先生が立ち上げた「漫画 on Web」は、誰でも簡単にオンラインブックを作ってコミック・小説・写真を公開したり、登録された無料/有料のオンラインブックを読んだりできるサイトだ。会員同士でメッセージを送って交流したり、日記を書く機能もある。

 「海猿」「ブラックジャックによろしく」をはじめとする佐藤先生の作品も公開中だ。

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