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「AtermWG1800HP」―次世代規格11acなら、コレを買え!

2013年07月24日 11時00分更新

文● 林佑樹

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Draft 11ac対応のLaVie Lで実効速度をチェック

 ここからは実際に対応製品でのチェックを行なう。用意したものは、NECパーソナルコンピュータの15.6型ノート「LaVie L」(LL850/MSB)。Windows 8搭載PCで唯一Draft 11acをサポートしているもので、2ストリーム×2ストリーム、最大で867Mbps(理論値)という製品だ。チェック方法としては、まずファイルサイズ1GBのダミーファイルを作成。これをAtermWG1800HP経由でデスクトップPC(自作PC)に送る。またその逆を実行して測定した。なおルーターまでの距離は約4m。中間地点の障害物はふすま程度。

15.6型ノートPCの「LaVie L」(LL850/MSB)。Windows 8搭載最新ノートの中では、唯一Draft 11ac対応モデル

 転送速度のチェッカーとしてはWindows 8のファイル転送画面を採用した。進捗状況が分かりやすくなったのが決め手だ。一般にはMbpsで表記されることが多いが、OS側ではMB/s表記が基本であり、1秒間にMB転送したと分かりやすいのも採用理由だ。

 ストレージの速度も気になるところだが、867Mbps(約108MB/s)からすると、同機が採用するハイブリッドドライブシステムのおかげで、まずボトルネックにはならないと判断した。自作PC側がAdaptec RAID 5405。キャッシュで処理されるため、こちらも問題はない。

デスクトップ機からLaVie Lに1GBのダミーファイルをドラッグ&ドロップしたところ。初速はやや遅いが後半は安定していた

LaVie Lからデスクトップ機に1GBのダミーファイルをドラッグ&ドロップしたところ。先との速度差は20MB/sほど生じた

デスクトップ機からLaVie Lに1GBのダミーファイルをドラッグ&ドロップしたところをタスクマネージャーからの確認したもの。一瞬で終わってしまっているのだが、安定して480Mbps〜510Mbpsだった

NASからLaVie Lに1ファイルあたり、24〜30MBのファイルを100個を転送しているところ。NAS側の性能もあるが、1ファイルごとの場合でも速度は上々

 ちなみに、家庭用ゲームやNASなどを接続した、筆者個人の環境で動画のストリーミング視聴とファイル転送を行なってみたが、11nの下り19.20MB/s、上り11.20MB/sに比べると、Draft 11acはRead 下り55.7MB/s、上り30.1MB/sという結果になった。傾向としては速度が出るまでやや時間がかかる傾向が見られたが、ファイルのやり取りを行なう速度としては上々である。

 また、オンラインゲームをしながら、動画サイトや攻略サイトを見るといったレベルなら、まったく問題ない。ホームネットワーク内で映像をシェアする機器は5GHz帯を利用し、ウェブブラウズ中心であれば2.4GHz帯といった住み分けも有効だろう。

「今後を考えて11ac」なら、「AtermWG1800HP」だ

 今後、対応機器が増えていくと思われるDraft 11ac。同時に、無線LAN環境で動画コンテンツ視聴や回線速度を必要とするシーンは、PCだけでなくスマートフォン・タブレット側にも増加するだろう。AtermWG1800HPなら、なるべく有線LANを減らしたいというユーザーにもオススメしたい。

 さらに、市販されている無線LANルーターでは初めて(2013年3月27日現在)、「IPv6ルーター」機能を搭載している点を覚えておくといいだろう。NTT東日本・NTT西日本が提供する「フレッツ光ネクスト」のIPv6インターネット接続(IPv6 PPPoE方式、IPv4 PPPoEとの同時接続が必要)をサポーしており、別途必要だった「IPv6トンネル対応アダプタ」が不要となっている。今すぐIPv6環境を整える必要はなくても、ASCII.jpの読者なら、実験してみたいという方はいるはずだ。

 また無線LANルーターの場合、物理的に起動しなくなるまで買い換える気がないという方、人によっては古いタイプを使用しているケースもあるだろう。ただ接続するだけの製品と思うかもしれないが、Draft 11acで回線速度が向上し、通信の安定性も増したのだ。無線LAN対応機器が増えてきて、接続に失敗しやすくなったと感じているのなら、AtermWG1800HPをぜひチェックしてほしい。

今後は、11ac対応機器が増えていくことが想定される。高速で安定した快適な無線LAN環境を構築したいなら、「AtermWG1800HP」はオススメだ

Interop Tokyo 2013
Best of Show Awardモバイル&ワイヤレス部門でグランプリ受賞

 2013年6月、「AtermWG1800HP」「AtermWG1400HP」「AtermWF800HP」は、ネットワーク・コンピューティングイベント「Interop Tokyo 2013」の「Best of Show Award」において、モバイル&ワイヤレス部門グランプリ賞を受賞した。

 受賞理由は、NECの先端技術の採用により、「コンパクト」かつ「高速通信」を実現したことによる。独自技術による世界最小クラスのμSRアンテナの採用による小型化、世界で初めて商品に適用したNEC独自の電磁ノイズ抑制技術μEBG構造による電磁ノイズの大幅削減などにより、5GHz帯で最大1.3Gbps(理論値)となる、新規格Draft 11acの超高速なWi-Fi通信を実現したことが評価されたのだ。

「AtermWG1800HP」スペック
価格 オープンプライス(店頭想定価格1万7000円前後)
有線LAN機能 WAN:1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Te×1、LAN:1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Te×4。LANポート自動節電対応
無線LAN機能 5.2GHz(W52)/5.3GHz(W53)/5.6GHz(W56)帯:IEEE 802.11ac(最大1300Mbps/HT80の場合)、5.2GHz(W52)/5.3GHz(W53)/5.6GHz(W56)/2.4GHz帯:IEEE 802.11a/n(IEEE 802.11nは最大450Mbps/HT40の場合)、2.4GHz帯:IEEE 802.11b/g(IEEE 802.11bは11/5.5/2/1Mbps)。らくらく無線スタート/WPS対応
内蔵アンテナ 2.4GHz:送信3×受信3、5GHz:送信3 ×受信3
インターフェース USB 2.0端子×1
ルーター機能 アドバンスドNAT(IPマスカレード/NAPT)、ポートマッピング(アドバンスドNATオプション)、IPパケットフィルタリング、ダイナミックポートコントロール、DHCPサーバー機能、ダイナミックDNS、不正アクセス検出、悪質サイトブロック(ファミリースマイル)、通信情報ログ(アクセスログ)、UPnPなど
WAN側機能 らくらくネットスタート、PPPoEブリッジ、IPv6ブリッジ、IPv6トンネル対応アダプタ、PPPoEマルチセッション、VPNパススルー、PPPキープアライブ
セキュリティ関連機能 SSID、SSID隠蔽(ESS-IDステルス)、暗号化キー、MACアドレスフィルタリング、ネットワーク分離機能、WEP(128bit)、WPA-PSK(TKIP、AES)、WPA2-PSK(TKIP、AES)
便利機能 TVモード、ストリーミングモード、Wi-Fi高速中継機モード、LAN側ジャンボフレーム透過、メディアサーバー、USBファイルHTTP公開機能、ECOモード、WoL(WAKE on LAN)、ホームIPロケーション機能
対応デバイス TCP/IPに対応したOS
サイズ/重量 約幅33×奥行き111×高さ170mm/約400g

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