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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ 第3回

小型かつ高品位、ドイツから届いた純白のアクティブスピーカー

コンパクトなボディーからあふれ出る上質、ELAC AM50 (4/4)

2013年07月22日 12時00分更新

文● 編集部

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さりげなくいい音がある環境を作ることも可能に

 こうした“音に没頭する”使い方だけでなく、小型で音のいいスピーカーは音楽のある空間を巧みに演出してくれる力を持つというのも、AM50を使って感じたことだ。巧みに設計されているため、小音量で聴いてもベースラインなど音楽の芯と鳴る部分はつぶれず、楽曲の持つニュアンスは失なわれない。

 例えばボリュームを25%程度の位置にあわせると、机の上において深夜にパソコンで作業しながら聴くには十分な音量でありながら、少し離れれば気にならない程度の音量になる。よっぽど壁の薄い部屋でなければ別室に音が大きくもれることはないだろうし、これでもAM50が持つサウンドの特徴は十分に実感できる。

 またヘッドフォンとは異なり、音楽を流した状態でも他の人と会話したり、少し離れた場所で別の作業を進めながら聴くといったことも可能だ。机の上だけで完結するようなパーソナルな視聴環境を作る用途に便利なのはもちろんだが、タッチパネルの付いたパソコンを壁際に寄せておき、パソコンを操作するときだけでなく、自室でくつろいでいるときに少し離れた場所から聴く用途なども想定できる。

 また、もっとフランクにiPhone 5のヘッドフォン出力からアナログ接続して聴くといった使い方でも十分に素晴らしい音質なので、リビングやキッチンなどにAM50を持ち運んで使うといった気軽な使い方も積極的に試したくなる。

 スピーカーを買うことに躊躇してしまうという人の意見を聴くと、予算やサイズなどと同じぐらいの頻度で、大きな音を出せる部屋が確保できないという意見を聴くが、何も大音響で音の世界に没頭するだけがオーディオの楽しみではない。コンパクトでデザインにも優れるというAM50の特徴を生かしたシチュエーションは、いくらでも思いつきそうだ。

小型で高音質のスピーカーで新しい世界を体験してほしい

 冒頭でも書いたが、AM50を使うことで、普段何気なく聴いていたYouTube、あるいはネットで配信するために圧縮された様々な楽曲の中が本当は驚くほどリッチな情報を持っているという点には驚かされた。

 根がマニアであるため、製品を見るとスペックや性能という点にばかりに関心が言ってしまう面もあるが、上質な魅力が凝縮されたAM50を先入観なしにパソコンにつないで、さりげなく流した音には素朴な感動があり、オーディオは音ではなく音楽を聴き、楽しむのだという当たり前のことを実感した。

 いい音を聴くのは素晴らしい体験だ。そこには素晴らしい発見と感動があるからだ。逆に言えばいいオーディオ機器には、そういった心の動きがなければならない。そしてそんな感動を与えてくれる機器が、AM50のように可愛らしく、使い勝手がよければ言うことはない。

AM50の主なスペック
型番 ELAC AM50
形式 2ウェイ(アクティブ密閉×1 / パッシブ密閉×1)
ユニット 25mmドーム型×1、110mm コーン型×1
クロスオーバー周波数 2500Hz
周波数特性 52~25000Hz
アンプ部 25W×2
消費電力 最大75W / スタンバイ時1W
スピーカー出力 Master部×1
デジタル入力(48kHzまで) USB-typeB×1(48kHz/16bitまで)
アナログ入力 RCA×1、3.5mm miniジャック×1
ELAC WL Interface(Wireless Set Stereo)専用×1
サイズ 210×136×165mm
質量 4.3kg(Master)、2.3kg(Slave)
カラー サテン・ホワイト(SW)、サテン・ブラック(SB)
価格 7万3500円/ペア

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