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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ 第3回

小型かつ高品位、ドイツから届いた純白のアクティブスピーカー

コンパクトなボディーからあふれ出る上質、ELAC AM50 (2/4)

2013年07月22日 12時00分更新

文● 編集部

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小型でかわいらしい外観が音への期待感を演出する

 AM50の最大の魅力は、その“音のよさ”にある。しかしシンプルでありながら、質感が高く、所有欲を刺激する外観にも注目したいところだ。

 BS52.2から受け継いだ幅136×奥行き165×高さ210mmというサイズは、自宅のデスクに置いて、パソコンの音周りを改善するのに最適。棚の隙間に置いて、常にいい音のある環境をさりげなく演出するといった使い方にもピッタリなサイズだ。

 スピーカーの本体は高級な革靴、あるいはバッグのように布製の袋に入れて届けられる。今回借用した“サテンホワイト”のキャビネットは、素焼きの食器類のように落ち着いた質感だ(ほかにサテンブラックも選べる)。背面パネルにはヘアライン処理を施した金属プレートを使用するなど高級感を重視した作りになっている。前面にはユニットを守る目的でパンチ穴をあけたメタルグリルをつけているが、ひとつひとつの穴の大きさにばらつきのない精度の高い加工で、ドイツブランドらしい実直さが伺える。

 グリルを取り外すと、うっすらと透けていた直径25mmのソフトドームツィーターと110mmのウーファーが露出する。色はバッフル部分を含めて、ともに引き締まった印象のブラックで、キャビネットとの対比が鮮やかだ。

 届いた梱包を開け、設置する瞬間は、製品の購入後、最も嬉しいひと時だ。AM50はこの至福の時間に素晴らしい演出を与えてくれる。手に取るとオーディオ機器らしい凝縮された重量感もあり、サイズとの相乗効果で、得も言われぬ所有感が得られる。音のよさはもちろんだが、インテリア感覚でこじんまりと置いて使える。自分だけのオーディオシステムを買ったという実感を得られる、デザインもまたAM50の魅力のひとつだ。

 またAM50は、ベースとなったBS52.2同様、密閉型であるという点も嬉しい。小型スピーカーでは低音の量感を増やすためにバスレフという仕組みを採用するのが一般的だが、背面などに開口部があり、ここをふさがないよう周囲に十分なスペースを確保しなければならない。これは置き場所の制約にもつながる。

 密閉型のAM50にはこうした開口部はなく、棚の中に入れたり、壁ギリギリまで寄せた設置をしても音質面での悪影響が出にくい。底面には小さな脚(シリコンピース)もつけられている。小さなフットプリントさえ確保できれば、置く場所が自由に選べるのだ。小型スピーカーの持ち味を殺さない点はAM50の大きな魅力だ。

必要な機能をワンボディーに凝縮するから、シンプルに接続できる

 アンプ内蔵という点は、機器の接続に四苦八苦しなくていいというのが利点だが、ユニットの特性を知り尽くした、ELACの技術者がその性能を最大限に生かせるよう最適なチューニングができるという音質面での利点もある。

機器との接続には、USB(Type B)によるデジタル入力と、ステレオピンジャック(RCA×2)/ステレオミニジャック(直径3.5mm)のアナログ入力(2系統の)が選べる。iPhoneを始めとしたポータブル機器との接続も容易だ。

 アンプ出力は25W+25W。右側(SLAVE側)のスピーカーは、MASTER側のスピーカー出力からケーブルでつなぐ仕組みだ。接続端子はMASTER側・SLAVE側とも、バナナプラグにも対応した高品位なネジ式ターミナルになっている。必要なケーブル類はすべて付属する。電源はスピーカーキャビネットの中に内蔵しており、着脱式のメガネ型ケーブルをつなぐだけでいいためシンプルだろう。長時間使わなければ、自動的に省電力モードに入るので、電源の消し忘れの心配もない。

必要なケーブル類も全部同梱されているので安心だ

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