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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第126回

volcaシリーズ企画開発者インタビュー第3弾

売上に影響しない――楽器に無駄なコストをかける理由とは

2013年07月06日 12時00分更新

文● 四本淑三

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見えないところで常時明滅を繰り返しているLED

―― ところで何で半透明樹脂なんですか?

高橋 だって光ってカッコいいじゃないですか。この、ずっと光ってるところ、これオートチューニングなんですよ。

―― アナログは温度や電圧で、すぐにチューニング変わりますからね。それがズレないように、ずっと調整してるんですね。

高橋 演奏している間、ずっとやってます。

―― でも、わざわざ見えないところのLEDを光らせなくても良くないですか?

高橋 えっ! 見えなくても、いいじゃないですか、綺麗だし。見えなくても、光ってるんだろうなという想いを持っていただければ。

坂巻 僕らは作っている過程で動作を知る必要があるわけで、そのためのLEDなんですよ。それが綺麗だったから、そのまま残したという話です。ライブをやる時に音に合わせて光るって、カッコいいじゃないですか。

―― でも、無駄なコストじゃないですか?

高橋 まあ、確かに光ったところで売上に影響が出るわけでもないですけど、でもそうじゃないんですよ。いいんですよ、綺麗だから。

坂巻 んじゃ、暗くしてみましょうか。

―― おっ、うおおっ! これはすげえ。

坂巻 ホラもう絶対キレイですよ。色んな所に光が漏れて、ホラ!

そして取材班、写真撮りまくる。volca keysは左側面のLEDがよく見えて美しい

volca keysの背面からもLEDの透過光がよく見える

高橋 やっぱケース透明にして良かったですね。

坂巻 良かったねー。

―― つまみをいじるとピンクに光るのは、そういう仕様ですよね?

坂巻 仕様です。

volcaシリーズの半透明樹脂でできた小さなノブは、手をかけて回すと下のLEDが点灯して、ノブ全体がピンク色に発光する

―― 『続・猿の惑星』のラストに、地底人が信仰する最終兵器で「ウーサ(USA)の神」というコバルト爆弾が出てくるんですが、その起爆装置がこんな感じの透明な柱体なんですよ。それをチャールトン・ヘストンが「このくそったれ」と言いながら押すと、地球が吹っ飛ぶんですけど。観ました?

坂巻 高橋くんは観た?

高橋 観たことないです。

―― だからvolcaシリーズは最終兵器なのだという暗示なのかと、ものすごい深読みをしていたんですが。

坂巻 僕も観たことないです。

―― 分かりました。では、何事もなかったように次の話に進めます。

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