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サポート切れWindowsをリプレースする 第4回

移行プロジェクトを実現するための流れ

最大の難関はデータ移行!新OSの移行に必要な作業とは?

2013年07月08日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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前パートでは調査会社の資料を基に、そもそも中小企業の多くはWindows XPからの移行を求めていないのではないか?という仮説を披露。その背景には「まだ耐用年数の限界に達していない」「新しいOSの機能に魅力を感じない」という理由があると指摘した。これに加えて、情報システム部に移行をためらわせるのは、やはり移行の手間とコストだ。

移行プロジェクトは「大変」「面倒」「コストがかかる」

 Windows XPからWindows 7/8への移行手段をおおまかに考えると、①プランニング、②動作確認、③移行作業、④(新しいOSやOfficeの)教育・研修といった流れになる。

Windows XPからWindows 7/8への移行手順

新端末の選定が難しいプランニング

 プランニングに際しては、まず移行する端末を特定し、新端末を選定する。Windows XPと7/8では推奨環境が大きく異なるため、ハードウェアはどのみち切り替えになる。情報システム部主導でやるところも多いだろうが、各部署のニーズもある程度は吸い上げなければならず、フォームファクターもバリエーションが増えているので、新しいPCの選定はすんなりといかないだろう。

 また、新しいPCやOSの環境を策定したり、後述するデータ移行の手順を考える必要がある。ここまでの段階で、ハードウェアの調達台数や移行・検証作業の工数などの概算が出るはずだ。ここから稟議を通すという場合もあるだろうし、あらかじめ確保した予算を超える場合は、予算の調達も必要になる。さらに次の動作検証でアプリケーションの改修やリプレースが必要になった場合は、別途予算取りが必要になる。

既存アプリケーションやマクロの動作検証

 既存のアプリケーションがきちんと動作するかも検証しなければならない。最新のWindows 7/8は64ビット版で出荷される場合がほとんどで、既存のアプリケーションの動作は保証されない。また、Windows XPだけではなく、Office 2003やInternet Explorer 6もサポート切れとなるため、マクロやWebアプリケーションの動作も検証する必要がある。

 Windows 7の場合、Windows XPのアプリケーションを動作させるための互換機能(XP-Mode)が用意されている。しかし、エミュレーション型の仮想マシン上で動作させるため、動作は必ずしもスムーズではなく、操作にも制限があるため、あくまで緊急避難的な措置と考えるべきだ。動作が意図通りでない場合は、やはり改修やリプレースを検討しなければならない。

仮想環境を用いるXP-Modeはあくまで緊急避難的な措置だ

最大の難関であるデータの移行作業

 移行作業に際して一番面倒なのが、やはりデータ移行だ。前述のハードウェア要件の問題から、多く企業では同一マシンでのOSアップグレードではなく、新規にWindows 7/8の新マシンを購入し、Windows XPの旧マシンのデータを新マシンに移すというパターンになる。

 Windows 7には古いPCからのデータ移行ツール(Windows転送ツール)が搭載されており、ユーザーデータだけではなく、PCのユーザーアカウントの設定、電子メールやインターネットの設定やアドレス帳まで移行してくれる。また、USBケーブル付きの引っ越しツールも提供されているので、こうしたツールを使うという選択もある。

 しかし、作業自体はユーザーが1台1台行なわなければならず、多大な労力がかかる。具体的には、クロスケーブルで、旧マシンと新マシンで直接ファイルを交換したり、旧マシンから外部ストレージにデータをいったんコピーし、新マシンに戻すという作業を行なう必要がある。

直接データ転送するか、外部ストレージを用いる

 数台であれば、手作業でカバーできるだろうが、数十台を超えるともはや手に負えなくなる。XPと7/8はデータの格納場所も異なっており、32ビット版から64ビット版への移行は一定の制約も存在する。もちろん、通常のファイルコピーではミスした場合はやり直しになるため、時間がかかるし、データ移行の多発する可能性がある。いずれにせよ、

移行後のサポートを減らすための教育・研修

 OS移行の最大の難関は、「移行作業そのもの」ではなく「移行後のサポート」とも言われる。つまり、新OSやアプリケーションに使い慣れないユーザーのサポートに多くの労力を費やしてしまうということだ。

 こうしたサポートの負荷を軽減するため、ドキュメントやFAQの整備は必須だ。また、場合によってはオンサイトでの教育や研修も必要になる。

移行はいつ?今でしょ!

 こうして見ていくと、移行に際しては実に手間とコストがかかることがわかる。専任の情報システム担当者がいない、もしくは1名でほぼやっているといった企業では、事実上数十台以上の移行作業は無理と考えてよいだろう。

 こうした企業では、移行支援サービスを手がけているベンダーやSIerとコンタクトをとり、移行への実際の段取りについて相談すべきであろう。移行支援サービスでは、前述したプランニングや動作確認などの作業のほか、実際の移行作業やドキュメント作成や教育、研修まで可能なベンダー・SIerもある。また、OSの入れ替えやハードウェアの刷新に合わせて、セキュリティ対策やバックアップの強化や運用負荷の軽減、リモートアクセス・遠隔操作、あるいは仮想デスクトップなどのソリューションも用意されている。これらは必要に応じて導入を検討しよう。

 日本マイクロソフトのSmall Business Centerのサイトでは、移行サービスを提供するパートナーやアプリケーションの互換性について情報提供するISVパートナーを紹介している(http://www.microsoft.com/japan/msbc/Express/sbc/launch/windows8/default.aspx)。

 重要なのは、こうしたベンダーやSIerには、なるべく早急にコンタクトをとったほうがよいということだ。2014年4月にあわせて、駆け込みで移行作業を申し込むと、エンジニアの確保が難しくなるだけではなく、年度末なので総務や人事、経理などのバックオフィス業務の繁忙期に重なってしまう。また、現在の円高や消費税増税の影響で、PCなどの価格が上昇する可能性もある。一方、ベンダーやSIerによっては移行キャンペーンを展開しているところもあるので、早い方がリーズナブルに移行を実現できる可能性が高い。

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