IGZOパネルで新たなステージに向かう、
「刀」コンセプトの14型Ultrabook
——昨年、11型・13型の製品が主流だったUltrabook市場に富士通は14型で参入し、今回もLIFEBOOK全シリーズの中で、Haswellを採用する最初の製品として14型Ultrabookを選択しました。このサイズに注力する狙いを改めてお聞かせください。
松本氏:確かにUltrabookの市場は11型・13型のモバイルノートというところから始まりましたが、当社としては、使いやすさと機能性を考慮したとき、どういう製品がお客様に喜んでいただけるかを考えてきました。13型よりも14型のほうが作業スペースが広いですし、画像を見るときなどもより大きな画面で見たいというお客様はいらっしゃいますので、14型という画面サイズへのニーズは確実にあるだろうと。そこで14型のディスプレーを選びながら、13型クラスの筐体に収まるようなコンパクトな設計を実現し、持ち運びやすさも犠牲にしないというのが、LIFEBOOK UHシリーズの考え方です。
もうひとつの利点として、HDD搭載モデルの存在があります。UltrabookではストレージがSSDのみとなっている製品も多いですが、我々はHDDモデルもしっかり作っていく。これは大きなポイントです。海外だとクラウドを利用する(のでストレージ容量は重視しない)お客様も増えているのですが、国内市場ではやはり動画を含めデータは自分の手元に置いておきたいというニーズが大きく、SSDでは足りない。大容量のストレージは、前回のLIFEBOOK UHシリーズをお買い上げいただいたお客様には大変喜んでいただいた部分なので、ここはちゃんと継承しています。
——従来のLIFEBOOK UHシリーズから受け継いだ点に対して、今回の新たに挑戦したのはどのような部分でしょうか?
松本氏:チャレンジした点は、やはり液晶の解像度が挙げられます。さまざまなデバイスで以前よりもいっそうの高解像度化が進む中、WQHD+の3200×1800ドットのIGZOパネルが登場したことで、モバイルノートにもこのような超高解像度のディスプレーを搭載することが可能になりました。従来の液晶パネルを使用する限り、デジタルカメラで撮影した写真を、本来の解像度で見ることはできませんでした。
——フルHDを超える解像度のディスプレーを搭載したPCというと、クリエイターや特別な業務用途の製品が中心でしたが、コンテンツを見るためだけでも十分なメリットがある?
松本氏:超高解像度ディスプレーで画像を表示すると、肉眼で直接実物を見るのと見分けが付かないくらいの解像感、奥行き感が出てくる。開発中我々の間でも確かにそういう効果がみられたので、これはお客様にもぜひ使っていただきたいと考えています。
すでに、皆様がお使いのスマートフォンではこのクラスの解像度のディスプレーは出てきているのに、なぜかPCだけは解像度が低く「ドット感」が残ってしまっている。スマートフォンやタブレットがこれだけ普及した中で、PCでも同じなめらかさをご提供したいという思いがあります。
——今回、製品発表文やカタログ等で「刀」をコンセプトにしたというメッセージを前面に出していますが、この意図を教えてもらえますか?
安藤氏:開発にあたって、薄く、頑丈に、美しく仕上げるというイメージをチームで共有するにあたり、その特徴を持ち合わせているキーワードとして「刀」を製品コンセプトとして持たせていただきました。刀のように「肌身離さず持っていただきたい」という考えと、企画・設計から製造まですべて日本国内で行なった「メイド・イン・ジャパン」の製品というメッセージも含まれています。
薄さ・堅牢性・美しさの両立をメインに掲げているのは、前回のモデルで学んだ部分でもありまして、このような薄型モバイルノートの場合「薄い」というだけだと「華奢な製品」と見られてしまいがちなので、今回は「薄いけれども頑丈」だというところをいかにお伝えしていくか、集中的に取り組みました。