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Buildレポ:Windows 8.1は外見は同じでも中の変化はスゴイ

2013年06月28日 21時15分更新

文● 塩田紳二

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開発サイクルの短期間化で
iOSやAndroidに本気でキャッチアップ

 プレビューが公開されたWindows 8.1だが、年内には出荷予定だという。おそらく、米国の年末のホリデーシーズンには、Windows 8.1搭載PCが登場するのではないかと思われる。そう考えると、完成するのは秋頃とみていいだろう。プレビューが開発者限定ではなく、一般向けのプレビューとなっており、現在のWindows 8マシンならWindowsストアからダウンロードしてインストールできることを考えると、開発は最終段階にあると考えていいだろう。このあと、大きな変更はなく、ほぼ、今回のBuildで公開されたものが最終仕様になるはずだ。

 これまでWindowsは、別製品として扱うメジャーリリースと、バグ修正を目的とたアップデートやサービスパック、そして機能を追加するようなコンポーネントのリリースと3つのスタイルでシステムをアップデートしてきた。メジャーリリースでは、カーネルが変更されるなど大きな変更であるため、PCメーカーなどのOEMのサポートを重視し、リリース間隔は3年と長かった。

 これに対して、AndroidやiOSは、大きな変更のあるバージョンアップの間隔は1年程度であり、この点で後れを取っていた。iOSやAndroidは、急速に機能を強化しており、これに対応するためにも、WindowsのAPIの改良などは早い周期で行われることが望ましい。今回のWindows 8.1は、Windows 8出荷の1年後と間隔が短い。

 かといって、Windows 8.1は、Windows VistaからWindows 7、Windows 7からWindows 8といったバージョンアップに比べると大きな変更ではない。マイクロソフトがこのリリースサイクルを維持できるなら、Windowsも急速に変化することになるだろう。特に激戦と言われる「タブレット」分野と、そこでの開発者獲得競争では、市場や開発者の要求にどれだけはやく対応できるのかにかかっている。

Windows 8.1のメリットを体感できるのは
新APIを使ったアプリが登場する来年以降?

 「スタートボタンのようでスタートボタンでないものが付いている」という評価が目立つWindows 8.1だが、内部は大きく変わっている。前に述べたように、ユーザーのメリットはWindows 8.1の改良そのものではなく、8新しいAPIを使ったアプリで得られることになる。このため一般ユーザーがメリットを実感できるようになるにはしばらく時間がかかるかもしれない。

 そういう意味では、年末にWindows 8.1が登場するなら、メリットを感じるのはアプリがWindows 8.1対応に切り替わり始める来年からといえる。そうなると、すでに話題はWindows 8.2だ。まさに「WindowsはVer.3から」という感じになるだろう。もっとも、ちゃんと更新サイクルを維持できるかどうかはまだわからないのだが。

 一般ユーザーには、物足りない改良ではあるが、Windowsは確実に進化しているといっていいだろう。


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