独特のフィルター回路はmini KORGの復刻版
―― bassの3オシレーターという構成はkeysと同じですが。アナログシンセとしての構成はどうなんでしょう。monotronやmonotribeと較べて。
高橋 フィルターも変えちゃいましたし、発振回路もちがいます。オシレーターは矩形波とノコギリ波が選べて、オシレーターごとに波形を変えられます。だからフィルターを使わなくても、それだけで音のバリエーションは得られます。
―― オシレーター1個ずつにピッチとミュートが付いているのがミソですね。フィルターは?
高橋 700S※2のやつです。
坂巻 MS-50※3とも一緒です。
―― 700SとMS-50って同じなんですか?
坂巻 はい。MS-20とMS-50って違うフィルターを使っているんですよ。それでMS-50と700Sが同じフィルターなんです。
―― そうだったんですか。知らなかった。どこが違うんですか?
坂巻 甘いです。
―― 甘い?
坂巻 甘いよね?
―― Sweet?
高橋 Sweet.
―― 特性的にはどう違うんですか?
高橋 MS-20のフィルターに比べるとクリーンのときの歪みが少ないかもしれない。レゾナンスを上げないでカットオフを絞ったときとか。
坂巻 とにかく抜けがいいよね。
※2 1974年発売の「miniKORG700S」のこと。1973年発売の国産初の量産型シンセサイザー「miniKORG700」の拡張版。「トラベラー」と呼ばれる2本の並行スライダーで操作するローパス/ハイパスフィルターが特徴だった。
※3 1978年発売。MS-20から鍵盤を取り除いてパッチングの自由度を高くした音源モジュール。
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