テスト環境
性能の検証を行なう前に、今回のベンチ環境を紹介しよう。比較用のビデオカードは、GTX770とGTX660Tiを用意した。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-4770K」(3.5GHz) |
マザーボード | ASUSTeK「Z87-PRO」(Intel Z87) |
メモリー | センチュリーマイクロ「CAK4GX2-D3U1600/ELP」(PC12800 DDR3 4GB×2) |
ビデオカード | GeForce GTX 770(NVIDIAリファレンスカード) GIBABYTE「GV-N66TOC-2GD」(GeForce GTX 660 Ti) |
SSD | Intel「SSD 335 240GB」 |
電源ユニット | ENERMAX「EPG600AWT」(600W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 8 Pro(64bit) |
グラフィックドライバー | 320.18/320.39(GTX760のみ) |
GTX660Tiをやや上回る性能
それでは各種ベンチマークの結果を見てみよう。まずは「3DMark」より「Fire Strike」と「Fire Strike Extreme」の結果を比較してみる。
スコアーはGTX770の2割下といったところだが、OC版GTX660Tiをなんとか超えてきた。OC版GTX660Tiの実売価格は最安クラスでほぼ3万円、GTX760のリファレンスもほぼ同額であることを考えると、性能なりの価格にしっかり調整してきたなと感じさせるものがある。
続いてはゲームを3連発、描画処理の重さ別にチェックしていこう。解像度はいずれも1920×1080ドットに設定している。まずは重量級である「クライシス3」だ。画質およびテクスチャーは“最高”に設定、アンチエイリアスは適度に軽い“SMAA中(2TX)”に設定した。ステージ2中盤のフィールド状マップを移動する際のフレームレートを「Fraps」で計測する。このテストはGTX TITANを使っても最低フレームレートが23fps前後に落ちる。最高fpsと平均fpsを比較するといいだろう。
こちらもGTX770よりは遅いが、オーバークロック版GTX660Tiよりやや速い程度の性能を示している。新しいわりに目新しさがないのが残念だが、各社からリリースされる(であろう)オーバークロック版の性能に注目したい。
続いては描画負荷が中くらいの「シムシティ」で検証する。画質関係はすべて最高のものを選び、アンチエイリアスを有効、フィルターを“ナチュラル”に設定した。入門ガイドの都市上を動き回る際のフレームレートを「Fraps」で検証する。
全体傾向は「クライシス3」と一緒だが、オーバークロック版GTX660Tiとの差はほとんどない。むしろこの程度の差なら、テスト条件によっては簡単に逆転されることもある。メモリーバス幅拡張の効果よりも、SP数が減ったことのデメリットはGTX760の地力に少なからぬ影響を与えているようだ。
3つめは描画の軽い「新生ファイナルファンタジー14」の公式ベンチのスコアーで比較する。画質は“最高品質”でフルスクリーン時のスコアーを採用した。
このテストではついにオーバークロック版GTX660TiがGTX760を逆転してしまった。複雑なシェーダーを使いメモリーがボトルネックになるか、比較的単純なシェーダーでSP数がボトルネックになるか、の違いと判断できそうだ。
こうなると古めのゲームほどGTX760は不利だ、という感じになりそうだが、最新ゲームでもオーバークロック版GTX660Tiが勝利することもある。その例として、先日リリースされたばかりの「Company of Heroes 2」をとりあげてみる。画質はすべて最高になるように設定し、ゲーム内蔵のベンチ機能を利用して計測した。
このゲームでもGTX760のパフォーマンスがオーバークロック版GTX660Tiに下回ることを確認できた。無論最適化の問題やドライバーの熟成具合で逆転する可能性もかなり大きいが、逆にいえば十分対策されていないゲームタイトルでは、GTX760は既存のGTX660Tiに負ける可能性がある、ということだ。
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