このページの本文へ

サポート切れWindowsをリプレースする 第1回

Windowsのサポート切れに関しておさらい

来年はXP、次は2003!サポート切れWindowsの現状と問題

2013年06月25日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Windows XPやWindows Server 2003のサポート切れで、PCやサーバーのリプレースが大きな課題となっている。ここではサポート切れを迎える“レガシーWindows”の現状を確認する。

Windows XPだけじゃない!Windows Server 2003も!

 すでにご存じの通り、2014年4月9日(日本時間)をもって10年以上続いたWindows XPのサポートが終了する。マイクロソフトの製品サポートライフサイクルポリシーによると、メインストリームサポートでは新機能追加、セキュリティ更新プログラム、その他パッチの提供までを含むが、延長サポートではセキュリティ更新プログラムのみが無償で提供される。2001年11月に一般販売されたWindows XPの場合、製品発売後最低5年間の「メインストリームサポート」に加え、最低5年間の「延長サポート」まで終了することになる。つまり、2014年4月9日以降、セキュリティ更新プログラムの提供が行なわれないことになる。あわせてMicrosoft Office 2003、Internet Explorer 6のサポートも終了する。

Windows XPのサポート終了

 こうしたWindows XPのサポート終了は、「2014年問題」とまで言われており、IT業界全体に大きな影響を与えている。IDC Japanが2012年11月に行なった調査によると、国内法人市場におけるインストールベースのPCの40.3%がWindows XPで、1419万台が未だにWindows XPと動いているという。調査からすでに半年以上が経っているわけだが、相当数が残っていると考えてよい。

国内のOSの利用状況

 そして、2014年4月の約1年後となる2015年7月14日には、サーバーOSである「Windows Server 2003」の延長サポートも終了する。すでに2010年7月13日には、Windows 2000 Serverの延長サポートや、Windows 2003/2003 R2のメインストリームサポートも終了している。

 2012年に行なわれたIDC Japanの調査では、Windows Server 2003で動作しているサーバーの割合は45.6%にのぼっており、Windows 2000 Serverとあわせると半数以上になる。サーバーOSの場合、ネットワーク経由での利用が前提なので、セキュリティの問題は無視できない。パッチの提供が停止された段階で、あまたの攻撃に晒されるのは確実。アプリケーション開発の都合もあるため、移行の問題はクライアントより深刻といえる。

XPサポート終了の問題はやはりセキュリティ

 リリースから10年以上が経つとはいえ、安定して動いているWindows XPのサポートがなぜ終了するのか? 日本マイクロソフトのサポート終了に関するお知らせでは、 Windows XPとOffice 2003について、「両製品は優れた製品であったと考えていますが、10年以上前に製品がリリースされた後も、テクノロジはさまざまなニーズに対応するため進化し続けてきました。またセキュリティの脅威も変化し続けていると言わざるをえません」と説明している。つまり、最新テクノロジーへの対応とセキュリティの脅威がサポート終了の大きな背景にあるわけだ。

 ご存じの通り、Windows XPが登場した12年前は国内でもブロードバンドが普及し始めた時期にあたる。つまり、PCがインターネットに常時接続されているという前提でOSが設計されているわけなく、外部からのウイルスや攻撃に対して、無防備な状態だった。このようにWindows XPは構造自体がセキュリティを意識してなかったため、パッチのリリースやセキュリティソフトでなんとか攻撃を防いでいるという状態なのだ。

 確かにメーカーサポートが終了しても、ライセンス的にはOSやアプリケーションは使い続けられる。しかし、延長サポートが終了し、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるということは、OSやアプリケーションの脆弱性を突いた攻撃にまったく対処できないことを意味する。最新の“ホコ”に対して、“タテ”どころか“ヨロイ”や“カブト”までなくなった状態になるわけだ。もちろん、スタンドアロンで利用するから問題ないという強弁するユーザーも多いだろう。しかし、今となってはネットワークにつながずにコンピューターを使うこと自体に無理があるし、最近ではUSBメモリ等でローカルから感染するウイルスも存在するので、安心とは言い難い。

 次回はなぜWindows XPのユーザーはそもそも多いのか? 移行を阻んできた障壁について考えてみたい。

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード