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EC市場の手詰まり感をO2Oで払拭

2013年06月21日 16時00分更新

文● 宮原 淳(Jun Miyahara)/アスキークラウド編集部

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 経済産業省が昨年8月に発表した国内EC(電子商取引)の 市場規模は8.5兆円。毎年成長を続けているにもかかわらず、280兆円あると言われる民間消費支出に占める割合が3%ほどしかなく、今後の拡大が期待される分野だ。とはいえ、事業者も成長する市場にあぐらをかいているだけではない。

 セレクトショップを運営するユナイテッドアローズは2014年、業務システムを刷新する。商品・顧客管理のシステムを一新してコスト削減を図る狙いだが、注目は実店舗とECサイトの顧客情報の一元化だ。すでに在庫管理システムは統一してあるためECサイトで店頭在庫もチェックできるといったメリットがあった。そこへ、実店舗/ECサイトの顧客情報を統合することで、双方の顧客の好みに応じたマーケティング戦略を展開できるというわけだ。

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ユナイテッドアローズのECサイト。店舗ごとの在庫情報などがわかるため、実際に店舗に行き試すことが可能だ。

 また飲食店向けITサービスを手掛けるサイエンスワークスは、POSに集まる注文情報から混雑状況を分析し、空席情報として提供するサービスを開始。現在ヤフーとリクルートが登録ユーザーに向けて提供している。すでに都内を中心に370店舗が導入。満席時にはクーポンを非表示にして客単価を上げ、空席時にはクーポンを表示して空席率の低下につなげるといった動的な運用も可能だという。

 最近こうしたO2O(オンライン・ツー・オフライン)の事例が増えている。ネットから実店舗に誘導するO2Oは、確認や試着が重視されるアパレル業では特に有効だ。実店舗を生かすことで、ZOZOTOWNやJavari.jp(Amazon)など、ネット専門のアパレル事業者との差別化も図れる。ECのみではなく実店舗の売り上げも伸ばして、事業の拡大を狙っているのだろう。

 ECの利用者数・利用額は今後も増えていくはずだが、ライバルが多く通り一辺倒ではユーザーの興味を引きつけられない。ネット決済サービスのジェイペイメントが日本から中国の決済・送金サービスを始めるように、新たな市場開拓を助ける企業も登場している。O2Oや新規市場の開拓と、EC市場の成長とは裏腹に事業者の苦労は続きそうだ。



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