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進化するスマホ戦略の狙いを聞く

シャープがスマホに吹き込む思想「Feel Logic」とは?

2013年06月24日 08時00分更新

文● 大河原克行

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AQUOS PHONE ZETA SH-06Eにみる4つの進化

 たとえば、AQUOS PHONE ZETA SH-06Eでは次のような形で、Feel Logicが強化されている。

 Feel artistでは、IGZO液晶ディスプレーと、新開発の映像リアリティーによって、スマホ最高クラスの高密度460ppiの実現とともに、色相、彩度、明度の3つの要素からなる色空間での色調整を可能とし、人が美しいと感じることができる色を再現。

 また、周囲の明るさや、蛍光灯や白熱灯といった照明の種類、時間帯などにあわせた最適な画質に自動調整するユースフィットモードを用意。さらに、画面のちらつき感を抑えた目の負担に配慮したリラックスモード、フィルタ表示の進化によりのぞき見をブロックするベールビューの標準搭載など、利用シーンにあわせて画面が選択できるよう、同社ならではの工夫を凝らしている。さらに、表示にあわせた画像転送制御を行い 省電力化にも貢献している。

 また、2つめのFeel photographerでは、F値1.9の明るい新開発レンズと、これまでPro Pixを進化新開発のカメラ画像処理エンジンを採用。シャープ独自の輝度、色ノイズの低減技術と、写真専門家のノウハウをベースにしたチューニングよって、高精細画像と高い色再現性を実現。新たな光学手ブレ補正により、暗いシーンでもブレが少ない写真撮影を可能としている。

 そして、Feel musicianでは、同じく新開発した音響リアリティーエンジンを採用。Wolfson社の次世代音声処理LSIを搭載し、SN比で113dBの音楽再生を実現。高音質で、長時間再生といった音楽プレーヤーとしても活用できる機能を実現している。

 また、Feel Logicで重要な意味を持つFeel UXでは、UIリアリティー技術を搭載し、ユーザーインターフェースの動きにあわせて、サウンドとタッチフィードバックによる感触、さらにはアニメーションの採用によって、五感に訴えながら直感的な操作が行えるような進化を果たしているのが特徴だ。

 着信音や効果音は、サウンドクリエイターがひとつひとつ音源を制作。サウンドと振動との組み合わせによって、手の中で実際にモノが動くような印象を演出しているという。

 また、壁紙や画面の色を素材感などのテーマに沿った統一感のあるデザインに一括設定したり、3ラインホームと呼ばれる同社独自のシンプルな画面構成の選択、使用時にロックを解除しなくても天気予報やSNSが確認できるウェルカムシートの採用のほか、触れずに操作できるエアオペレーション、エアズームなどの機能も搭載している。

 さらに、本体を振ると画面をOFFにしたり、背面を指で2回叩くと音声ランチャーが起動するといった細かい機能も見逃せない。

 「Feel UXでは、数字では表せないような情緒的な部分、感じるものにフォーカスして進化を遂げた。人がやりたいと思ったことを、しっかりとしたロジックや技術によって実現することができる」と語る。

 これがシャープが目指すFeel Logicの姿だといえる。

 だが、ひとつ注意しておかなくてはならないことがある。このFeel Logicのコンセプトは、シャープのすべてのスマートフォンの開発思想のベースとしては位置づけられるものの、すべての製品に同じ技術や機能を搭載するというものではない。

 最新技術や、それによって実現される最先端の機能は、フラッグシップモデルに採用されることになる。そして、エントリーモデルやシンプルスマホのような製品には、ここで培われたエッセンスが盛り込まれ、それぞれの製品にあわせた形で、最適な機能が提供されることになる。 

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