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東芝「REGZA Z8X」と自作PCでリアル4Kを堪能してみた

2013年06月24日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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新映像モード「高解像度シネマ」の威力

コンテンツモードの選択画面には「高解像度シネマ」が加わった。3つのアニメモードも4K表示に最適化されて搭載

コンテンツモードの選択画面には「高解像度シネマ」が加わった。3つのアニメモードも4K表示に最適化されて搭載

 これらを視聴した映像モードは、新規に加わった「高解像度シネマ」。4K撮影や4Kスキャンで制作されたBDソフトなどでより解像感の高い映像を楽しむためのものだ。

左がオート、右が「高解像度シネマ」。肌の質感などがより精細に復元されている

 魔狼のざわざわとした毛並みや歯をむき出しにした顔付きが怖すぎるし、オークやゴブリンといった魔物が汚らしくおぞましさがよく出ている。単純に高解像度で硬い印象ではなく、むしろしなやかで柔らかいトーンとなっている。こうした表現はフルHDでは難しいものだと実感する。

 その威力に気をよくして高解像度シネマのまま地デジ視聴をしてみたが、ディテール感は地デジ放送でもかなり向上し、髪の毛の質感や服の生地の感触がよく出るし、女性出演者には難儀だが、フルHD時代よりもキメが細かいドーランを用意しないと肌の皺や衰えがよく見えてしまう。

 だが、ノイズもよく見える。例えば画面のテロップの周りに発生するモスキートノイズが強調されるし、MPEGノイズが発生しやすい場面などはなまじ画面がきめ細かいためにブロックノイズが目に付きやすい。

 高解像度シネマは基本的にそうしたデジタルノイズが極めて少ない映像が前提なので、地デジ放送とは相性が悪いので注意したい。地デジの場合は標準的な「ビデオ(放送)」などMPEGノイズやモスキートノイズ低減を重視したモードを選べば、ノイズが目に付くこともなく、より解像感の高い映像を楽しめるだろう。

高画質アニメモードも搭載

 次いでアニメモードも試してみた。ソースはオリジナルのフィルム素材を6Kスキャン/4K出力して制作したBD版の「ジャイアントロボ」。アニメモードは、輪郭まわりのモヤつきを抑えつつ、キリっとした輪郭を再現するなど、アニメ特有の映像に特化した処理を行なうもの。

 4K表示でもその持ち味は変わらず、「高画質アニメ(BD)」は描き下ろしのセルイラストをA全サイズで印刷したポスターを見ているようなクオリティーで再現する。

 ただし、解像感の高さという意味では前述の高解像度シネマがもっと凄かった。これはもう生のセル画と背景画をなめるように眺めている感じで、生々しさが一段跳ね上がる。背景部分の画面に指を触れると画用紙のザラザラした感触がするのではないかという気分になる。

 ただし、輪郭のキレのよさなどはやや滑らかなものになるので、高画質アニメ(BD)も捨てがたいところ。解像感かアニメらしい表現かで印象が大きく変わるので、画質モードを選ぶのが楽しい。

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