文部科学省が発表する「大学等卒業者の就職状況調査」で4月時点の就職率を見てみると、2012年卒の93.6%から今春の13年卒には93.9%へ、0.3ポイントのわずかながら就職状況の改善がうかがえる。そんな状況下で学生はどのような就活を展開していたのか――MMD研究所は13年卒者を対象に「就職活動に関する実態調査」を実施した。
同調査で興味深いのは就活中の情報収集の方法。上位に挙ったのは「マイナビやリクナビなどの就職情報サイトを活用」や「大学のキャリアセンター就職課を活用」、「企業ホームページの閲覧」といった従来からのオーソドックなもの。
ここ数年で脚光を浴びていたかに見えたSNSの利用は意外と低く、「ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアで知人友人から情報を収集」が9.7%、「ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアで企業や業界に関する情報収集」は8.4%と、いずれも1割に満たない状況であることがわかった。
スマホに関しては、約半数がスマホを所有し、就活の七つ道具の1つとして定着してきた。活用方法は「メールの管理」や「企業ホームページの閲覧」、「スケジュールの管理」が中心で、こちらもやはりSNSの利用は低水準となっている。
「ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアで知人友人と情報共有」が11.1%とかろうじて1割に達したものの、「企業や業界に関する情報収集」は9.1%、「ソーシャルメディアを使ってOB・OG訪問の連絡」は5.8%、「インターンに関する情報収集や申込」は4.9%にすぎなかったのだ。
手軽なコミュニケーションツールともいえるツイッターやフェイスブックなどのSNSは、モバイルで使い勝手が高まるため、スマホの普及が進むにつれてユーザーの拡大が見込まれている。しかし、今回の調査は就活学生に限っていえば、単純にそうとも言い切れない結果となってしまった。