日本電信電話(NTT)は、昨年11月に2012年度上半期の決算発表を行った際、「新たなステージを目指して」と題する経営戦略を示した。当面の取り組みとして挙げた2本の柱のうち、1本は「『グローバル・クラウドサービス』を事業の基軸に」というもの。まさにクラウドサービスのグローバル展開が同社の主要課題となっているなか、今回、NTTは米ITセキュリティ会社の買収を発表した。
17日の発表によると、NTTが買収したソリューショナリー(Solutionary)は、全米でセキュリティのソリューションとコンサルティングをサービス展開。セキュリティシステムの監視・運用をサポートするマネージド・セキュリティ・サービス市場において、ガートナーの指標マジック・クアドランドでは独立系ベンダーとして唯一、リーダー・ポジションに位置づけられているという。
NTTは現在、海外での顧客基盤は1万社を超え、2012年度の海外売上高は120億米ドルとなり、海外で就業する従業員数は68か国で5万人以上に及ぶ。今回の買収は、競争法関連当局の承認が得られること等を条件として、本年度第2四半期中に完了する予定だ。買収が完了すると、セキュリティ・プラットフォームをはじめセキュリティ・オペレーションの提供力、コンサルタントや開発エンジニアのリソース、米顧客基盤など、ソリューショナリーが持つビジネス資産をNTTは手に入れる。これを機にNTTのグローバル展開はますます強化・拡充へと進んでいく。