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西海岸から見る"it"トレンド特別編

WWDC 2013:Appleが醸し出すエコシステムの温かい雰囲気

2013年06月15日 11時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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「Designed by Apple in California」

 今回の基調講演で強調していたフレーズが、「Designed by Apple in California」。すべての製品に刻印されている、Apple製品のアイデンティティともいえる1行です。今回の基調講演では、「カリフォルニア」というフレーズをとても意識させられました。

基調講演開始時、またエンディング時のムービーの最後に表示された「Designed by Apple in California」の文字。すべててのApple製品に刻印されるこのフレーズの意味を再確認する基調講演という位置づけを感じさせてくれます

 例えば、OS Xの愛称も、ネコ科の動物からカリフォルニアの地名へと変更されましたが、カリフォルニアの州旗がスライドに大きく表示されました。またムービーでも、この1行が印象的にあしらわれています。ハードウェアやソフトウェア、そして人々の生活を、Appleが、カリフォルニアで丁寧にデザインしているというメッセージを強調しています。

 Appleは、米上院議会の公聴会で租税回避の追及を受けるなど、米国に税金や雇用で貢献していないのではないかという指摘を、他企業とともに受けてきました。WWDC 2013前にAppleが本社を構えるCupertino市に新設するキャンパスについても、地元企業での雇用や税収を作り出すというアピールをしてきました。新型Mac Proは米国内で生産する旨も告知されています。

 今回のAppleの発表は、GoogleやSamsungとの競争という“渦”とは違うところで、我々は努力をしているという空気を作り出すには十分なプレゼンテーションでした。向こう10年間のAppleがどうなっていくのか、次の週末Mavericksの海岸へ行って、考えてみようと思います。


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