2013年ネットワーク動向+Interopレポート 第11回
SDNの実用化に向け工夫を続ける国産ベンダー
SDNでも覇を競うNECと富士通のSDNソリューションは?
2013年06月13日 14時30分更新
Interop Tokyo 2013のSDNブースではNECが先日発表したばかりのWebSAMによるクラウドオーケストレーションをデモ。また、富士通ブースではSDNを用いてWANを効率的に利用するソリューションが展示されていた。
OpenFlow/SDNでみんながやりたかったこと
OpenFlow/SDNへの取り組みがもっとも熱心なNECは、業界に先駆けてOpenFlow 1.3に対応したUNIVERGE PF(ProgrammableFlow)のソリューションを展開した。NECブースのみならず、各社のSDNソリューションが集う「SDN ShowCase」でも多くの聴衆を集めていたのが印象だ。

SDN Show CaseでのNECの展示
製品としては、先日発表されたばかりのクラウド管理ソリューション「WebSAM Cloud Manager/vDC Automation」を披露した。これはProgrammableFlow Controller「UNIVERGE PF6800」とOpenFlow経由で連携することで、仮想サーバーと仮想ネットワークの集中管理を実現したもの。エンドユーザーの仮想サーバーの払い出し要求に従って、サーバーを割り当てつつ、仮想ネットワークも自動的に生成する。スイッチのみならず、ファイアウォールやロードバランサーまで管理対象になっているのが大きなポイント。「OpenFlowやSDNでみんながやりたかったこと」そのものを確実に実装したソリューションといえる。また、構築だけではなく、監視までカバーしているのも特徴だ。
その他、NECではOpenStackからのネットワーク情報を元に仮想ネットワークを自動配置したり、物理・論理ネットワークやフローの情報を収集・可視化したり、OpenFlowのプログラミングフレームワークであるTrema Platformによる開発環境なども展示。「SDN分野にNECあり!」という存在感を強く印象づけた。
富士通はSDNをWANに展開したサービス例
NECに負けじと、昨今SDNへの展開を活発化させている富士通はWANの帯域予約をSDNの活用によって実現するサービスプロバイダー向けソリューションを参考出展した。

SDNの見える化と経路制御を披露
これは、大容量のデータの送受信に際して、エンドユーザーや業者側のリクエストに応じて動的に帯域を確保するというもの。画面転送に使うデータ量、送付先、利用時間などの条件を入力し、サービスをオーダーする。データセンター側ではSDNマネージャーのEastbound APIを提供しているので、ユーザーはアプリケーションからAPIを叩けば、WAN側の装置を制御し、必要な帯域を確保することが可能になる。GMPLSをサポートした既存の装置でネットワークの制御や管理を行なう点がユニークだ。また、動画の伝送品質の劣化を検知し、経路を切り替えるデモも実施されており、SDNをどのようにサービスに取り込んでいくかという試行錯誤がうかがえた。

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