米グーグルは現地時間11日、イスラエルの地図アプリサービス企業のウェイズ(Waze)を買収したと発表。ウェイズも同様の発表を行っている。ウェイズはグーグル買収後も独立企業として事業を進め、製品開発チームはイスラエルに残る。
ウェイズに対してはフェイスブックやアップルが買収に乗り出していると、複数のメディアがこれまで憶測記事を掲載してきた。しかし、数日前からグーグルによる買収が有力視され、今回、両社からの正式発表に至った。一部メディアの報道によると、製品開発チームをイスラエルに残すという条件を受け入れたことで、買収相手にグーグルが選ばれたという。
ウェイズは、AndroidやiOSといったモバイル向けに無料の地図ナビアプリの「Waze」を開発し、提供先は世界に広がっている。ユーザーがコミュニティを形成し、渋滞や事故などの道路状況をはじめ関連情報をユーザーから収集し、リアルタイムで共有できるようにしている点が大きな特徴だ。グーグルは、自社が展開する地図アプリの「Googleマップ」に「Waze」の共有情報を組み込むことでサービスを強化できる。一方の「Waze」は、「Googleマップ」から膨大な地図データを得ることで地図情報の拡充が図れる。
米メディアのオール・シングス・デジタル(ALL Things Digital)の報道(現地時間4月26日)によると、ウェイズCEOのノーム・バーディン(Noam Bardin)氏はインタビューで「モバイルにとっての地図はWebにとっての検索と同じだ」と指摘。モバイル利用で位置情報は欠かせず、膨大な検索データをWebサービスにフィードバックするように、ユーザーの位置情報をモバイルサービスに活かすことでビジネスチャンスは大きく広がる。それだけに、今回の買収は両社にとって大きな意味を持つ。