それは当たり前の結論だ
講演中に放映されたビデオでは、なぜ、カスタマーカンパニーになることが求められているのか、といった理由を示す意味で、聴講者に大きなインパクトを与えたようだ。
ビデオで示されたのは、スマートデバイスを手に入れた消費者は、これまで以上に商品やサービスに関して選択の自由度を持ち、さらに、商品に対する情報を自ら自由に発信できるということであった。一度、モノを購入しただけでは終わらず、また単にモノを入手しただけではユーザー自身も満足しない市場へと変化しているというわけだ。
そうした顧客に向けて商品を提供するために、企業は、あらゆる方法で情報を入手し、製品、社員、企業、顧客がつながり、カスタマー中心に事業を行う必要性を示すとした。
ビデオでは、「すべての企業は、消費者のための企業にならなくてはならない」として、「これが未来の当たり前の形である」と締めくくった。
カスタマーカンパニーの時代において、顧客がいつでも、どこでも情報を入手するとともに、情報を発信し、企業や製品とつながる手段に用いられるのが、モバイル端末だ。それは、スマートフォンであり、タブレットである。
つまり、スマートフォンやタブレットが、企業活動において欠かすことができない端末になってくるというのが、カスタマーカンパニーの世界ということになる。
ベニオフCEOは、セールスフォース・ドットコムが、カスタマーカンパニーに踏み出していることを示しながら、「私は、今回の来日にPCを持ってこなかった。スマートフォンには必要なものがすべて入っており、ここから業務を行うことができ、顧客の詳細を知ることができ、コミュニケーションを取ることができる。ここにいるみなさんも、これからはPCを捨て去る時代に入ってくる。すべてがスマートフォンで済むようになる」などと語った。
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