低価格だがハードルは高めの「ボルカノフロー」
Slingbox 350と同様にレコーダーやチューナーと接続して映像を配信できるのがアイ・オー・データ機器のボルカノフローだ。基本的な製品の接続方法はSlingbox 350と共通。レコーダーとD端子で接続することで、フルHD(1920×1080ドット)での高画質出力に対応する。
本体価格が非常に安く、気軽に導入できるのが魅力だが、設定面では若干ハードルが高い。著者事務所での設定時も、スムーズにネットワークでの接続認証ができず、トライアンドエラーを繰り返す中で接続できていた。挑戦者ブランドの商品ということもあり、中上級者向けの印象だ。ただし、初心者向けの設置サービス(2万円・本体代金含む)も用意されている。
ボルカノフローを選ぶ上で注意しておきたいのは、基本パッケージには高画質出力ができるD端子ケーブルが含まれていないということ。PCやタブレットでの視聴がメインで、高画質で見たい場合は、別置ケーブルを購入するか、「D端子ケーブルセット」(1万1160円)を選びたい。
また、ボルカノフローでは初期設定時に接続するレコーダーやチューナーを選択する画面がある。しかし、残念ながら主要なBDレコーダーなどはほとんど登録されていない。メーカーのWebサイトには一部モデルのリモコン設定ファイルの用意があり、手動で設定することができる。ただし、そこに含まれていないレコーダーなどを接続する場合は、リモコンの学習機能を利用して、基本的な操作に必要なボタンを登録させる必要がある。
PCもスマホもすべて専用アプリで視聴する
ボルカノフローでは映像の視聴に専用アプリを用意している。PCでの視聴の場合、メーカーのWebサイトから視聴・設定アプリをダウンロード(無料)することができる。スマホ、タブレット用にはそれぞれ専用アプリ「Vulkano Player for Flow and Blast」を用意。を用意。iOS向けは1100円、Android用は1078円となっている。
PCでネットワーク視聴を行うには、専用アプリを起動。画面に「テレビを見る」をクリックするだけ。アクセスには若干時間がかかるが、受信後はそれほど遅延を感じなかった。テストでは標準パッケージを利用したため、SD画質での表示だったが、画面に表示される文字がつぶれることもほとんどなかった。ウインドウ表示ならSD画質でもそれほど気にならないようだ。
また、iPadからの視聴も試してみた。アプリをiTunesで購入して起動。設定画面を開いて、初期設定で入力した登録名、パスワードを入力するだけで、ネットワーク視聴ができた。また、インターネット経由での視聴も問題なし。著者の環境では特にルーターの設定などは必要なかった。
インターネット経由での視聴では、画質は明らかに劣化。ワイドショーなどで多く使われているフリップボードなどに表示される文字情報は若干厳しいという印象だった。