このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

実はWindowsタブレットがお買い得?

MS、iPadとWin 8/RTタブレットの製品比較サイト

2013年06月03日 10時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

続くMicrosoftのiPad対抗広告キャンペーン、
その勝機は価格にあり?

 MicrosoftがiPadを強く意識した広告キャンペーンを展開するのは今回が初めてではない。実は少し前にiOSの音声ナビゲーターである「Siri」をもじった30秒のコマーシャル動画を公開している。ちょうど今回の比較広告ページの内容をそのまま動画にしたもので、iPadとASUS VivoTab Smartを並べて両者のできること、できないことを比較している。


 前述のようにコンセプトの異なる製品の比較であり、すでにブランドを確立したiPadに対して「できること/できないこと」を比較してアピールしたとして、iPad購入を考えるユーザーの意志は揺らがないと思われるが、ここ最近のトレンドの変化で思わぬ風がMicrosoftに吹きつつある。それが「価格」だ。

 比較ページでは価格も対象となっているが、比較するWindowsタブレットのストレージ容量に合わせてiPad側の容量と価格も32GB版と64GB版で切り替えて表示されている。比較してみると分かるが、どのWindowsタブレット製品もiPadの同容量モデルと比べて100ドル(約1万円)以上割安になっている。特にASUS VivoTab Smartは250ドル(約2万5000円)の差がある。製品リリースのタイミングもあるが、価格のほぼ動かないiPadに対し、「いい製品を安く買い求めたい」というニーズにWindows製品が応えてくる可能性は高いだろう。

特に価格の影響が大きい日本

 もうひとつ、為替の問題もある。つい先日、昨今の円安に合わせる形でiPadの価格が一斉改定されて軒並み値上げとなったが、この傾向は大容量モデルほど大きく、128GB版の第4世代iPadについては1万3000円価格差の7万9800円まで一気に上昇してしまった。一方で同容量のストレージを搭載し、Officeまでバンドルされた「Surface Pro」の価格が9万9800円で発売されており、iPadの値打ち感がなくなる一方で、“高い”と思われていたSurfaceの価格が相対的に安く感じるようになってきた(関連記事1関連記事2)。

 OEM各社のタブレットは同クラスでさらに安い価格が設定されており、iPadにこだわらないユーザーであればWindowsタブレットを価格で選ぶメリットが増えつつある。Windows RTについてはHTCが製品リリースのキャンセルを発表するなど厳しい話題が続いているが、Windows 8タブレットは開発コード名「Blue」こと「Windows 8.1」のプレビュー版が間もなく公開される見込みであったりと、これから盛り上がりを見せる傾向にある。

「ライバルを追いかける側」となったMicrosoft

 こうした比較広告を出すメーカーの特徴として、「ライバルを追いかける側」にあるというのが共通点だ。以前であればMicrosoftが追われる側にあったと思うが、最近ではそれが逆になっているのかもしれない。ただ先ほどの価格の話もあり、円安の中で王者としての余裕の値上げを実施したAppleに対し、“追う側”のMicrosoftの動きは必死だ。今後の情勢次第では、意外といい勝負になる可能性もある。これから買い物を考えるユーザーはニーズとともに製品同士をしっかり比較検討し、自分に最適なソリューションを選んでほしい。


■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン