クラウドを活用した「ボイスサーチ」
── キーボードの入力はどうなりますか?
土屋 マジックリモコンで、キーボードを表示して入力できます。学習機能もあるので、予測変換もできますし。スマートフォンに慣れた方なら、iOS(iPhone/iPad/iPod touchのOS)やAndroidで専用アプリの「LG TV Remote」をダウンロードしていただくと、スマートフォンでカーソルを動かしたり、文字入力ができるようになります。新機能の「ボイスサーチ」も便利ですよ。
── 音声認識をしてくれるという?
土屋 そうですね。ボイスサーチボタンを押して、リモコンに向かって例えば「アスキー」というと、音声認識してくれてYouTubeなどの動画共有サービスや普通のウェブページを検索することができます。
── おおー!ASCII.jpがテレビで表示できた。認識エンジンはリモコンに含まれているんですか?
土屋 いや、リモコン内のマイクで拾った音声データは、テレビに飛ばされて、さらにネットを通じてクラウド側の認識エンジンに投げられます。その解析結果を戻して、動画やウェブサイトが現れるわけです。クラウドを活用することで、ユーザーが使うほどエンジン側にフィードバックが行って賢くなりますし、「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「ももクロ」といった流行語にも対応できるようになります。それが強みですね。
── リモコンの受光部ってどこにありますか?
土屋 2.4GHz帯域の無線通信なので、直接テレビに向けなくても操作できます。ポインターに関してはゲームマシンなどで実用化されているものと同じような方式で、ジャイロセンサーやマッピング技術でどこをさしているのか移動の検知をかなり追い込みました。マジックリモコンを日本で展開するのは2年目なんですが、グローバルで見ると4年目で、年々精度を上げてきています。こういうのは作り込みが大事で、先行して製品化することで技術や使い心地のよさを蓄積しています。
あとは手を動かして操作するモーション認識も面白い操作です。LA9600/LA8600ではテレビの上部に装着されている内蔵カメラを開くと、ほかは別売のマイク内蔵カメラ(AN-VC400)を付けると、顔を認識して、その横に広げた手で操作できるようになるんです。
── 手で操作ってスゴい。どうやって選択するんですか?
土屋 画面のアイコンにそって手を開いたまま弧を描くと選択している場所が切り替わり、握ると決定になります。チャンネルを切り替えたり、ボリュームを上げ下げしたり、電源を切ったりという基本機能のみですが、例えば料理をしながらリビングダイニングに置いたテレビを操作するといったことも可能です。
── 「リモコンがみつからなくて電源をオフにできない!」という非常時にも役立ちそうです。結構遠くでも認識するんですか?
土屋 1.5~4.5m以内ぐらいまで認識します。もちろんカメラが上がっているときでも、モーション認識をオフにすることもできますよ。