アプリケーションでも
性能向上を確認
次は、アプリケーション系のベンチマークの結果だ。まずはじめに、3Dレンダリングのベンチマークソフト「CINEBENCH 64bit Release 11.5」の結果を見ると、CPUが3770Kの約1.08倍、OpenGLが3770Kの約1.34倍であった。先のベンチマーク結果に近い伸び幅となっており、やはり順当に性能が向上していることがわかる。
それに対し、ペガシスの動画編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を利用し、3分のフルHD動画(1920×1080ドット、24fps、映像ビットレート20Mbps、H.264)を、1280×720ドット、24fps、映像ビットレート4MbpsのH.264形式に変換した場合の処理時間を計測してみたところ、約4秒高速であった。CINEBENCHと比べると、差は非常に小さく、やや拍子抜けといった印象だ。
このように、確実に性能は向上するものの、実利用時にIvy Bridgeからの顕著な性能向上を実感できる場面はそれほど多くないかもしれない。
圧倒的な低消費電力
アイドル時で10Wもの低減を確認
次に、消費電力を計測してみた。電源ユニットの先にワットチェッカーを接続した状態で、アイドル時、「OCCT Perestroika」を利用してCPUに高負荷をかけた状態、「FurMark」を利用してGPUに高負荷をかけた状態の3パターンで消費電力を計測した。
結果を見ると、アイドル時で3770Kより10W、約30%も消費電力が低減している。また、CPU高負荷時にも消費電力が7W低減。このことから、Haswellのワットあたりの処理能力の向上は非常に大きいといえる。ただし、GPU高負荷時には、逆に消費電力が5W増えている。GPUは演算ユニットが従来より増えているため当然ともいえるが、性能向上分を考えると納得できる範囲内だろう。処理能力を向上しながら、これだけの消費電力低減を実現しているのは、非常に大きな特徴で、これこそがHaswellの最大の魅力だ。
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